2016/02/19 05:51 | 昨日の出来事から | コメント(0)
豪、1月の失業率は6%に上昇
昨日、ABS(オーストラリア統計局)が発表した1月の豪の失業率は、前月の5.8%から6%に上昇し、新規雇用者数は7,900人減少しました。事前の市場関係者の予想は、失業率は前月比変わらずの5.8%で新規雇用者数は+13,000人でしたので、予想以上の悪い数字に市場は驚きをもって捉えられ、為替市場では、豪ドルは対米ドルで0.71ドル台後半から0.71ドル台前半まで売られました。
内訳としては、正規雇用者数が40,600人減少し、非正規雇用者数が32,700人増加しています。一方で労働参加率は65.2%で前月と変わりませんでした。 尚、毎月の変動を平準化したベースの失業率は、12月分が上方修正された5.9%から5.8%に低下しており、引き続き豪の労働市場は改善傾向にあることがわかります。
地域別では、タスマニア州と南オーストラリア州の失業率は、それぞれ6.5%と6.8%と他州に比べて高くなっています(タスマニアでは恒常的に職がないことが挙げられ、南オーストラリア州では、2017年の豪の自動車産業の撤退を受けて、労働者の整理が本格化しています)。
ABSのマクロ統計部門の Bruch Hockman氏は「2015年1月から2016年1月にかけて、雇用は302,000人増加し、その内、正規雇用者数が169,800人と非正規雇用者数を若干上回っている」とコメントし、国内旅行、消費者関連ビジネス、金融サービスなどを中心に、豪ドル安を背景に雇用が増大したと指摘しています。
CommSec のチーフ エコノミストCraig James氏は「今回の数字で、ここ数か月間の雇用の改善が目先的に頭打ちとなった」と指摘しながらも、「求人広告件数の増加や、空職率(求人をしても職が埋まらない比率)が増加していることから、失業率は5.5%程度まで、ゆっくり低下していくだろう」とコメントしています。
一方で、JP Morgan のエコノミストTom Kennedy氏は「豪の失業率は今後6か月から1年にかけて5.8%~6.2%のレンジで推移するのではないか」と指摘し、労働市場が将来的に大きく悪化するとは見ていないようです。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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