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2016/01/28 05:55  | 昨日の出来事から |  コメント(0)

豪、2015年第4四半期のインフレ率は+0.4%


おはようございます。

昨日、RBAが発表した2015年第4四半期の豪のインフレ率は、事前の市場参加者の予想を若干上回る+0.4%でした(前年同期比では+1.7%)。 また、食料品やガソリンなどの値ブレの大きい項目を除いたコアのインフレ率は+0.6%(年率換算で2%)となり、RBAが中期的なインフレ率のターゲット目標としている2~3%の下限を維持した形となりました。 

市場参加者は、これによって来週に開催されるRBAの理事会での政策金利引き下げの可能性はなくなったと判断し、短期金利先物市場では、政策金利の引き下げを約20%織り込んでいた発表前の水準から、発表後は6%を織り込む水準まで価格は下落しました(金利は上昇しました)。

CommSec のエコノミストSavanth Sebastian氏は「(今回の数字を受けて)RBAは2016年を通じて現行の政策金利を維持することに満足するであろう。また、賃金の上昇圧力が弱い為、豪のインフレ率が上昇することもないであろう。 また、豪ドル安による輸入価格の上昇は、世界的な原油価格の下落によって相殺されている」とし、「今後のRBAの関心事は、労働市場動向(失業率)と消費者動向になるであろう」とコメントしています。

一方で、HSBC のチーフ エコノミスト Paul Bloxham氏は「今回のRBA定例理事会では政策金利の引き下げはないであろう。 しかし我々としては、2016年央辺りで政策金利の引き下げがあると考えている」と述べ、その理由として「豪の経済成長が、中期的な成長目標を下回る事、更には、世界的に金融市場が一層不安定になれば、金融市場を安定化させる為に政策金利の引き下げもありうる」としています。

クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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