2011/10/07 05:21 | 昨日の出来事から | コメント(4)
同じデモをするなら?!
今週号の英紙エコノミストに世界主要国の年収100,000ドル(日本で約750万円)の人の所得税及び社会保障費を合わせた実効税率比較をした特集がありましたので、ご紹介したいと思います。
世界で年収100,000ドルの人の実効税率が最も高いのはベルギーで所得全体の48%が徴収されます。第2位が、今、問題になっているギリシャで42%、3位がドイツの41.5%、そしてフランスの41%、デンマークの40.5%とヨーロッパ諸国がずらりと並びます。
ここからが興味深いのですが、その次にはインドの40%、ブラジルの39%の新興国が続きますが、その後は再びヨーロッパのスウェーデンの35%程度、イギリスの30%となり、そしてようやく私たち日本の28%程度、中国の26%、オーストラリアの25%、アメリカの24%が続いています。
こうしてみてみますと、今、問題のギリシャは、ただでさえ実効税率が高いうえに、更に税金を引き上げる上に、ボーナスや給料を減らすというのですから、デモが起きるのも無理はありません。 ただし、ギリシャ、イタリアの国々は、(英紙エコノミストによれば)脱税が文化のような国ですので、そのあたりは割り引いて考える必要があります。
その一方で、同じく最近あちこちでデモが起こっているアメリカですが、こちらは税金が高くてデモを起こしているのではなく、 一向に改善しない失業問題と、一部の大金持ちと庶民との格差是正を訴えてデモが起きています。 同じデモでも、ギリシャのデモは「もう終わった話」を蒸し返してゴネている虚しさがありますが、アメリカのデモは、何かが変わる可能性があります(その意味では前向きなデモです!)。
さて、私たちの日本ですが、これまでの積もりに積もった大借金に今度は東日本大震災復興という名の大借金をするのは流石に憚られたのか、今度は期限付きの復興増税が取り沙汰されています。 色々と復興に関する名前と金額がずらりと並んでいますが、それにしてもその資金使途や中身の分かりづらいこと。 何か、初めに金額ありきで、後から「何チャラ復興資金(基金)」と名前だけがついてきているように思えて仕方ないのは私だけでしょうか。
それに、思い出していただきたいのですが、消費税導入の時もそうでしたが、名前は何であれ、ひとたび新しい徴税の仕組みを作ってしまえば、後は数字をジリジリと引き上げるのが官僚の常套手段で、決して税率を下げたり、折角できた徴収の仕組みを彼らは放棄するようなことはありません。 つまり、今回の復興増税案は、表向きは10年の時限立法になっていますが、それは国民から同意を得やすくする為の「まやかし(猫だまし)」に過ぎず、これは明らかに恒久増税法案であって、期限が来れば看板を掛け替えては永遠に続きます(場合によっては更に税率が上がる!)。 読者の皆さま、騙されてはいけません!!
それでも、百歩譲って増税法案を受け入れるとしても、その前に政治家の20%の定員削減と政治活動資金の50%削減、更には公務員の給料の20%カットを交換条件にすべきです。そしてこれらの実現を要求してデモを起こすべきです。 何故ならば、そのデモは、ギリシャのような「もう終わった話」を蒸し返えしてゴネるだけの虚しいものではなく、アメリカのように「何かを変える為の前向きなデモ」であり、そんな前向きなデモなら、私も帰国して参加します!!
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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4 comments on “同じデモをするなら?!”
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そういう事を書くと・・
「秘密保全法、通常国会提出へ=漏えいに最高懲役10年検討」
になるのでしょうか・・??
まぁ・・差し入れには行きますが・・・(笑)
海上保安官も、拉致家族の人も”根性なし”と言いたいのを我慢しているのに、その無言の口まで封じようとする感じがしていやですね。
下手くそで、根性なしの政治を隠すだけだから、何でも開示してしまうサイトに文句が言えなくなるのかもしれませんね。
泥鰌も”解決するならいく”(解決できるものなら行く、解決できないから行かない?)でなくて、”解決しに行く”でないと根性なしと言われます。 外務省は核、ミサイル、拉致問題の3点が揃わないとだめだって? 拉致単独で取り組まないですむようにセットしていますね。 オバマさんに広島へは行くなと言ったそうだし、周りもお公家さんばかりで困りましたね。