2015/11/19 05:31 | 昨日の出来事から | コメント(0)
豪、2015年第3四半期の賃金は年率+2.3%
昨日、ABS(オーストラリア統計局)が発表した2015年第3四半期の豪の賃金は、前期比+0.6%(年率+2.3%)でした。この水準は1997年に同局が統計を取り始めて最も低い水準となっています。 また、賃金統計とは別に、1960年台から統計を取り始めた豪のGDPから算定される賃金からみても最も低い伸び率となっています。
その一方で、失業率がここにきて低下しており、「労働者は雇用競争にさらされて、より低賃でも働かざるを得ない状況であることが窺える」と市場関係者は分析しています。 また、今後も賃金が伸び悩むことが予想されます。その理由の一つに、現在、失業率は5.9%でしたが、1年前は5.1%であり、引き続き職を求める人が待機しており、こうした失業者が、より安い賃金でも働く(あるいは働かざるを得ない)ことが予想され、一層の賃金押し下げ圧力がかかるからです。
また、RBAが中期的なインフレ上昇率のターゲットを2~3%に設定していることが労働市場にも広く行き渡り、「労働者は、異常なまでの賃金上昇を期待してはいけない」とのRBAからのメッセージを労働市場に(特に、豪の労働組合に)浸透させることに成功したとも言えます。
以上から、今後も長期に亘り、豪の賃金は現在の水準近辺で推移するであろうと市場関係者は分析しています。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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