2015/10/28 04:52 | 昨日の出来事から | コメント(0)
豪、10月第2週の消費者信頼感指数は2%下落
昨日、民間のANZ-Roy Morganが行った10月第2週の豪の消費者信頼指数は前週に比べて2%下落しました。背景には、10月に入って豪4大銀行の一つWestpacが、住宅ローン金利を02%引き上げ、その他の大手銀行もこれに追随する動きを見せたことで、住宅ローンを抱える消費者の心理を一気に冷やしたことが挙げられます。
そもそも、ここに至って、豪の主要銀行が住宅ローン金利を引き上げたのは、RBAや金融監督庁による銀行の住宅ローン(特に投資ローン)の監視を強化した事から、主要銀行を中心にローン債権に対する貸倒引当金を上乗せした事から自己資本が低下し、これを回復するためにローン金利の引き上げに踏み切ったようです。
その一方で、金融市場内には、今後の豪の景気動向次第では、更なるRBAによる政策金利の引き下げ期待もあり、市場では、今回の豪主要銀行の住宅ローン金利引き上げに戸惑いを見せています。
RBC Capital MarketsのストラティジストMichael Turner氏は「今回の数字を受けて、今後の消費者心理を注意深く見る必要がある。 これ以上、消費者心理が悪化すると、RBAは政策金利の引き下げる可能性が出てくる」とし、「消費者心理がクリスマス前に悪化するようであれば、12月の理事会で政策金利を引き下げるだろう」としています。
また、ANZのAustralian economicsの共同ヘッドFelicity Emmett氏も「住宅市場は、今年の豪経済成長の大きな柱であり、もし住宅市場の拡大がなければ、RBAは更に0.5%の政策金利の引き下げに迫られていたであろう」と述べるほど、住宅市場の貢献を評価しています。
ここにきてこれまでの豪の住宅市場急成長に対する功罪とその評価が、金融市場内で割れています。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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