昨日、Credit Suisse のアナリストChris Green氏は顧客向けレポートの中で「ニュージー　ランド経済は、近い将来、経済成長率が１％を下回り、テクニカル　リセッション(景気後退)に陥る可能性が高い」述べました。　また、「ＮＺが１年以内にリセッション入りする可能性は２５～３０％である」と予測しています。
　
確かに２０１４年までのニュージー　ランド経済は年率３％台の経済成長を達成し、先進国の中の「ロック　スター」と言われるほどの優等生でしたが、ここにきて同国の主力輸出商品であるチーズなどの乳製品が世界的な供給過多によって５０％以上も暴落し、それに加えて中国経済が減速した事によって更に輸出にブレーキをかける形になっています。世界最大の乳製品輸出業者Fonterra Co-operativeは、「現在の乳製品の国際価格は持続維持可能な水準ではない」と警戒感を露わにしています。

こうした事からニュージー　ランドの経済成長率は２０１４年１２月期の＋３．５％から２０１５年３月期の２．５％へと急速に失速し、ニュージー　ランド　ドルも６年ぶりの安値を更新しています。また、今月、民間のＡＮＺが発表したニュージー　ランドの景気先行指数では、ニュージー　ランド経済の成長率が年末までに２％を下回る可能性を示唆しています。

尚、前回、ＮＺ経済がリセッション　入りをしたのは、１９９７年のアジア通貨危機の時であり、このときは２期連続でマイナス成長でしたが、その後は中国経済の高度成長に合わせる形で急速に回復しています。