2009/09/19 20:08 | 相場あれこれ | コメント(1)
チャートは欲望と恐怖の軌跡
実のところ、本当は8月30日の衆議院選挙に間にあうように準備していたのですが、それに間に合わず、すったもんだの挙句に9月14日になったまでで、リーマンショックに合わせるという高度な考えは少なくとも僕にはありませんでした(ぐっち〜編集長は、どうだったか知る由もありませんが)。 しかし、偶然にしろ、意図があったにせよ、2009年9月14日は、リーマンショック1周年という金業界では1987年の10月19日のブラックマンデーに匹敵するエポックメイキングな日であり、この日から始めたことに因縁浅からぬものを感じずにはいられません。
さて、いざ、マーケット・レポートを出して見ると、読者の皆様から、色々なご意見を頂戴しました。 多かったのは、「レポートの内容のわかりやすく解説をしてほしい。」、「テクニカル分析の解説をしてほしい。」、「サイクルって何?」、「ボンドのコメントが欲しい。」等々。こうしたご質問やご意見についても、今後、追ってお話しさせていただきますので、どうぞよろしくお付き合いください。
今日は最初ですので、それぞれの解説を始める前に、皆様がよく見かけられるチャートについてお話したいと思います。
そもそも、金融マーケットで使われるチャートとは何でしょうか? 一般的な答えとしては、値段(あるいは利回り)を縦軸にとって、横軸に時間を表示し(デイリーであったり、1時間だったり、30分だったり、あるいは、1週間だったり、1カ月だったりします)、それを継続的に記録したものといえます。つまり、ある決められた時間に、売りたい人と買いたい人が合意した値段を継続的に表示したのがチャートです。「そんなわかりきったことを今さら」と、読者の皆様は言われると思います。
確かに、チャートの表向きの顔は、こうした買いたい人と売りたい人が成立させた時間と値段の軌跡ですが、考えていただきたいのですが、その裏側で、命の次に大事なお金をマーケットで売った人はどういうつもりで売ったのでしょうか? これから値段が下がると思って売った人、利益が出て嬉しくて売った人、あるいは、高い値段で買ってしまって損切りをして売った人等、様々です。
同様に、これまた命の次に大事なお金をつぎ込んで買った人は、どういう心境で買ったのでしょうか? これから相場が上がると期待して買った人、既に高い値段で空売り(ショート)をして利益確定で買い戻した人、あるいは、安いところで売ってしまって、含み損がかさんで、仕方なく買い戻している人など、こちらも色々です。
このようにして考えてみますと、チャートとは、買った人と売った人の思惑と期待、それに欲望や恐怖が激しくぶつかりあった軌跡とも言えます。一見、無機的かつ無味乾燥的に動いているように見えるチャートですが、本当は、こうしたものが複雑に絡み合った、実にドロドロした有機的な軌跡なのです。
故に、「チャートは時間と値段の軌跡である、と同時に、欲望と恐怖の軌跡でもある。」と、私は、常日頃から考えています。

クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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One comment on “チャートは欲望と恐怖の軌跡”
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為替相場に興味はありませんが、株やってます。
次の一相場の初動で儲けりゃ、スパッと止める予定です。
チャートは欲望と恐怖の軌跡、まさしくそのとおり!
私もオーストラリアへイザ、移住♪(笑)