2015/05/15 05:43 | 昨日の出来事から | コメント(0)
世界的に長期金利は底打ち?!
今週号の英誌エコノミストに掲題に関する記事がありましたのでご紹介したいと思います。
読者の皆様もご存知のように今年に4月に入って、世界的に長期金利が上昇しています。
年初にはドイツの10年国債の利回りは0.5%近辺で推移していましたが、EBCがQE政策を打ち出し事、更にはこの時期に原油価格が大きく下落してデフレ期待が高まったことを受けて、4月上旬には0%近辺まで下落(価格は上昇)しましたが、その後はから5月にかけて金利が0.5%程度まで大きく上昇しています(価格は下落)。
問題なのは、この金利上昇が、それまでのデフレ期待からインフレ期待に市場のセンチメントは変化したのであればECBのこれまでの努力が報われたことになるのですが、市場関係者の多くはそのように見ていません。RBA(Royal Bank of Canada)のエコノミストは今回の長期金利の上昇を「悪しき価格の下落(金利の上昇)と名付けています。と言いますのも、今回の金利の上昇は、市場内にインフレ期待が出始めたからではなく、単に、これまでのキャリー トレード(安いユーロを調達して、米ドルで運用していた取引のUnwind(巻き戻し)に過ぎないからです。
としています。
こうしたキャリー トレードとそのUnwindによって金利が一時的に急上昇するパターンは、1998年の日本の国債市場でも同じ現象が起きました。 1998年当時の日本の10年国債は、日本の財政赤字が積み上がっていたにも関わらず、銀行の貸し渋りを背景に、更には少子高齢化の名の下にデフレが進行し、10年国債の利回りは1%を割り込んでいましたが、突如、「窓ガラス」が割れるかのように国債金利が急騰したのでした。
英誌エコノミストは、「現在の市場参加者は、今回のヨーロッパやアメリカの長期金利の急騰に対して、1998年の日本国債金利の急騰と同様に警戒して見守っている」と指摘しています(確かに、現在の為替市場、国債市場はこれまでのトレンドの巻き戻し的な動きが入った後は方向感の定まらない神経質な値動きとなっています)。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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