2015/01/14 05:38 | 昨日の出来事から | コメント(0)
2015年の日本は、2014年の再放送?!
昨年末に英誌エコノミストが特別号「2015年の世界」を発刊し、その中で日本については「危機せまる」と題した記事がありましたのでご紹介したいと思います。
ご存知のように2014年末の衆議院の解散総選挙で大勝した自民公明連立政権は、形の上ではこれまでの政策と選挙公約(経済政策ではアベノミクスが支持されたことになり、外交では集団的自衛権の行使に向けた議論を進めていくこと)が支持された事になっています。そして年末には、「アベノミクスを地方に届ける」ことを目的として3.5兆円の補正予算案と先日には96.4兆円の今年度予算案の概要が固まりました。
英誌エコノミストは、「今年(2015年)の安倍政権がやろうとしている事は、(TPP交渉や労働改革など大きな問題故になかなか結果を出せなかった部分もあるが)2013年に安倍政権発足時に打ち出したアベノミクス(3本の矢)の繰り返しに過ぎないように思われる」と指摘しています。
むしろ、それどころか、2014年10月末に日銀がぶち上げた追加金融緩和(黒田バズーカ)によって日銀のバランスシートを大きく棄損させる潜在的リスクが増し、財政健全化については、昨年末の消費税再引き上げを先送りした為に健全化に向けた道筋が全く見えず、財政状況はより悪化している(今年度の新規国債発行残高は、前年までの40兆円台から30兆円台に減るものの全体の発行残高は増え続ける事には変わりありません)。
加えて来年には、今回先送りした消費税の再引き上げをするかしないか安倍政権が判断しなければならない(現時点では2017年に再引き上げすることになっています)。 結局のところ、安倍政権は、(ここまで来たからには)これまで以上にアベノミクスを推進せざるを得ないが、 その一方で選挙民(日本国民)は、近い将来にアベノミクスの結果(デフレの脱却と景気の拡大)が達成できなくても我慢できるほど、もう辛抱強くないように思われると懸念を示しています。
2015年の日本は、実は、私たち自身のアベノミクスに対する我慢度を試される年なのかもしれません。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
現在有料版にはお申し込みいただけませんのでご了承ください。
当社に無断で複製または転送することは、著作権の侵害にあたります。民法の損害賠償責任に問われ、著作権法第119条により罰せられますのでご注意ください。
いただいたコメントは、チェックしたのち公開されますので、すぐには表示されません。
ご了承のうえ、ご利用ください。