2014/12/25 05:34 | 昨日の出来事から | コメント(2)
英誌エコノミストが予測する2015年
今週号の英誌エコノミストに掲題に関する記事がありましたのでご紹介したいと思います。
英誌エコノミストは2014年の現状を1990年代後半とそっくりであると指摘しています。例えば、ロシアの金融危機、原油価格の下落、強いドルに見られるアメリカ経済の堅調さ、その一方で、弱いドイツと日本経済、そして、ブラジルやインドネシア更にはアフリカ諸国経済の失速などがそうであるとしています。
とはいっても、2014年の状況が1990年第後半にそっくりと言っても完全に同じではなく、 例えば、1990年代にはまだ、それほどの存在でもなかった中国は今や世界第2位の経済大国になって世界経済に貢献している。
英誌エコノミストは、まず、このように指摘したうえで、2015年を占う上で次の3つの不安定要因を挙げています。
まず初めに、好調なアメリカ経済とそれ以外の国の経済状況とのギャップがどんどん拡大している点である。1990年代後半に当時のラリー サマーズ財務長官が「今、世界経済は一つのエンジン(アメリカ経済の好調さ)だけで飛行している」と指摘しましたが、現在は当時よりもその依存度が高くなっている(英誌エコノミストによる2015年のアメリカ経済の成長率は3%、日本とユーロは1.1%、中国は7%)。
次に、アメリカ以外の先進国諸国の景気が失速している点が挙げられる。 ユーロにおいてはドイツの経済成長率が1%にまで低下し、ドイツ政府は、こうした状況の中、本来であれば財政出動で景気を押し上げる必要があるにもかかわらず、過去の戦争で経験した財政破綻の苦い経験から、財政出動には二の足を踏んだままである。 また、日本は、1997年に行った消費税の引き上げでデフレになった失敗を、2014年4月の消費税引き上げで再び同じ過ちを繰り返してしまっている。
3つ目の不安定要素としては、発展途上国の経済危機が挙げられる。特にロシアは、原油価格の下落によって財政が一気に悪化し、通貨ルーブルが暴落し、近い将来、財政破綻を引き起こす可能性が出てきている。また、アフリカ諸国や中南米の石油輸出国でも同様のことが起きる可能性がある(ナイジェリアの輸出の内、95%が原油輸出であり、国家財政の75%が原油収入に依存しており、ガーナは既にIMFに対して支援を要請している)。
このようなことから、2015年を占うに当たっては、弱気派は、「強い米ドルと弱いユーロ通貨、それに発展途上国の財政破綻が起こって、最終的にはアメリカ経済も失速してしまう」と予測している。 その一方で、強気派は、「現在の株価(S&P500のPER)は18倍と過去の平均値とそれほどかけ離れた水準になく健全であり、また、1990年代と違って、現在のアメリカの銀行のバランスシートは、当時に比べて圧縮されており、その意味でも健全である」と指摘しています。
英誌エコノミストは、以上の事を踏まえた上で「2015年の世界経済は当時(1990年代後半)に比べて政策の選択の余地が非常に狭くなっている。 例えば、1990年代にはアメリカの政策金利は5%であったが現在は0%であり、1990年代の中間層の賃金は1995~2000年にかけては平均7.7%上昇したのに対して現在は逆に減っており、こうした人々の不満が選挙によって政府の政策に反対する可能性が大きくなっている。 2015年は1990年第後半とよく似ているが、政治面では当時よりも悪化するであろう」と懸念を表明しています。
さて、2015年の日本の経済は?そして、政治はどうなるのでしょうか?
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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2 comments on “英誌エコノミストが予測する2015年”
ペルドン にコメントする コメントをキャンセル
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ご了承のうえ、ご利用ください。
右手・・
ユーロの足首掴み・・
左手・・
ポンドの足首掴み・・
右目・・
ユーロの靴底・・見つめ・・
左目・・
ポンドの靴底・・見つめ・・
共に・・落下中・・なのだろうか・・・??(笑)
影の豪がそれほど悪くないという事は、中国もそれほど悪くないという事でしょうから、世界の第2のエンジンは日本から中国に交代です。
日本はドイツにならい節約をして地味にいきましょう。
”諸費増税”は馬鹿な事をしましたね。 同じ過ちを2度するなんて。
でもIMFとかがお墨つきだしていませんでしたっけ。
IMFは日本嫌いなんですね