2011/09/28 05:20 | 昨日の出来事から | コメント(3)
マイルス デイビス 没20年
朝から、相場とは関係のないジャズのお話ですみません。
今日9月28日は、マイルス デイビスが死んで20年の記念日にあたります。
私と同じ年代か、それより御年配のジャズ ファンの読者の皆様に取りましては「ああ、そうか、今日はそういう日であったか」と、かつて日本でもジャズの黄金期があった事を懐かしく想い起こされるのではないでしょうか。 とりわけ、大学時代をジャズ喫茶でバイトをしていた私にとりましては、この日は格別なものがあります。
今、私の住むオーストラリアのジャズ専門のラジオ放送番組では、今月は「マイルス デイビス 没20周年月間」と称して、マイルス デイビスの演奏が盛んに流れています。 彼の偉大な処は、モダンジャスを確立し、ジャズ界を死ぬまで牽引し続けた天才ミュージシャンにとどまらず、彼のバンドに参加した多くのジャズメンたちがその後も大活躍したことからもわかるように、才能のあるミュージシャンを探し当てる天才でもありました。
私が学生時代に過ごしたジャズ喫茶は、決まって狭い扉を開けると中は薄暗く、その上、煙草の煙で店のライトは灰色にかすみ、一杯のコーヒーをオーダーしては、3〜4時間もそれこそスピーカーに頭を突っ込むようにして、レコード針の針圧の雑音まで頭に記憶するほど聞き入ったものでした。 今にしてみれば、非常に不健全で体に悪い青春時代であったと思いますが、それをもってしても、あの頃のジャズには、満たされることのない心の渇きや、苛立ちにも近い将来に対する不安を、しばし慰めてくれるものがありました(少なくとも私にはそうでした)。
あれから、30年、、、、。
昔は、自分のバイト代では高くて買えなかったジャズ レコードはCD化され、その後の円高やCDの大量生産化もあって、今は1000円程度で買えるようになり、ジャズ喫茶開店前から並ばないといい場所で聞けなかったあの頃のジャズは、今や、ファミリー レストランの“トイレ”やラーメン屋のBGMで流れるまでに大衆化(クラッシック化)してしまいました。
読者の皆様に中には、「そんなにジャズの何処がいいの?!」と訝しがる方もいらっしゃるかと思います。
今日は、そんな方に、お勧めのジャズCDをご紹介します。
キャノン ボール アダレー のCD「Something Else:サムシング エルス」の「枯葉」を、是非、お聞きください。演奏者は、キャノン ボール アダレー:サックス、 マイルス デイビス:トランペット、 ハンク ジョーンズ:ピアノ、 アート ブレイキー:ドラムス、 ポール チェンバース:ベース(ジャズ ファンには、これだけの名前を聞いただけで、もう、たまらな〜い筈です!(笑))
実は、この演奏は、私が生まれる前年の1956年に収録されたのですが、今から55年前の音楽とは思えない程、とても瑞々しい(みずみずしい)のです。
秋の長夜のひと時を、お酒を片手にスピーカーのボリュームを一杯まで上げて、しばしジャズに浸ってみませんか?!
きっと、「ジャズに乾杯!」そして「マイルス デイビス ありがとう!!」となること、請け合いです。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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3 comments on “マイルス デイビス 没20年”
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http://www.youtube.com/watch?v=PPHtQn1t1n4
で聞けますが、よかったでしょうか。わしも50代のおっさんですが、ガガの方がいいな。
確かにいい雰囲気ですね、枯葉が舞って静かに水面に浮かぶ光景が浮かんできました。
「満たされることのない心の渇きや、苛立ちにも近い将来に対する不安」思い出し、よく分かります。
すり足で・・
秋は・・忍んでくる・・
気付くと・・
首まで・・落ち葉に埋まり・・冬の間近さを・・欧州の方々は・・知る訳だ・・
だが・・
冬は長くない・・春風が・・もうすぐ吹く・・
そんな時・・
デイビスの枯葉を聴くと・・
空手形で来た・・アドバイスだけの・・ガイドナーの悲しみを・・しみじみ・・知ることになる・・
欧州の方々は・・・