昨日、豪政府が発表した２０１４年７月から２０１５年６月までの豪の財政赤字は、AUD４０４ｂｎに拡大する見通しとなりました（豪の会計年度は２０１４年７月から２０１５年６月）。また、今後の経済の見通しとしては失業率は６．５％程度まで上昇し、インフレ率は２．５％程度で推移するとしています。

今回の財政赤字拡大見通しの大きな要因としては、鉱山関連産業の低迷によって、企業収益が落ち込んだ為に税収が当初予想よりも大幅に減少した事が挙げられます。

昨日の発表の後、Joe Hockey財務長官は「２０１５年の豪経済は回復することが期待される。理由としては、原油価格の下落によってエネルギー価格安、豪ドル安、歴史的な低金利は、豪経済を下押しする」とし、「また、中国や韓国、更には日本との自由貿易協定締結は、特に、豪の農産業などの小さなビジネスを行っている人や企業にとってもプラスに働く」と声明を出しています。

市場関係者の反応としては、ゴールドマン　サックス　アセット　マネージメントのPhilip Moffitt氏は「豪の財政状態は危機的状況にはなく、今後、数年にわたって、ファンダメンタルズ的に極めて健全に推移するだろう。　したがって、今回の数字が債券市場に悪い影響を与える状況にはない」としながらも、「問題は、今後、政府が中長期的に財政赤字の悪化をどのように食い止めていくか、更には、次の成長戦略をどうするかについては懸念が残る」とコメントしています。