2014/12/03 14:46 | 昨日の出来事から | コメント(0)
RBA,政策金利据え置き
昨日、RBAの定例理事会で現行の政策金利2.5%の据え置きを決定し、これで16か月連続となりました。これまで政策金利を長期に亘り据え置いた例として、1994年12月から当時の政策金利7.5%を18か月据え置いて以来の長さとなっています。
理事会後のGlenn Stevens総裁の声明の主な内容としては
(1) 世界的な鉱山資源価格の下落を受けて豪の鉱山ビジネスコンディションが低迷する中、現行の政策金利を据え置くことが妥当と判断した。
(2) 豪ドルの為替水準は、鉱山商品価格の下落から見てまだ割高で推移しており、安い豪ドルは、豪経済のバランスの取れた経済成長に寄与する。
(3) 全体的に豪経済は、平均的な経済成長のトレンドラインをやや下回る水準で、今後、数四半期は推移すると思われる、
Deutsche Bankのチーフ エコノミストAdam Boyton氏は「豪の来年の失業率は6.75%程度まで上昇し、政策金利をあと2回引き下げるであろう」とコメントしています。また、先週にRBA副総裁Philip Loweが、将来的な政策金利の引き下げに言及したことを受けて、Deutsche, Saxo, AllianceBernstein, Morgan Stanley and Western Unionのそれぞれのエコノミストも2015年にRBAによる政策金利の引き下げを予想しています。
また、この日、ABS(オーストラリア統計局)が発表した2014年第3半期の経常収支は、季節調整後で2014年第2四半期のAUD13.9bnの赤字からAUD12.6bnに縮小しました(事前の市場関係者の予想はAUD13.5bnの赤字でした)。
主な内訳としては、財およびサービスの超過がAUD3.02bnとなり、これによって第3四半期のGDPを0.8%押し上げる効果があるとしています。一方で、対外債務は第2四半期のAUD864.2bnからAUD882.9bnに拡大しています。またこの期間の財およびサービスの貿易は季節調整後で3.5%減少しています。
こうしたデータを踏まえて本日(水曜日に)2014年第3四半期のGDPが発表されます。
また、同局は、この日、10月の建築着工許可件数を発表し、季節調整後で前月比11.4%増加して17,062件でした(前年同月比+2.5%)。 事前の市場関係者の予想は+5%でしたので、予想以上に建築市場が堅調であったことがわかります。
St George のシニア エコノミストHans Kunnen氏は「住宅供給が増えることは住宅価格上昇を弱める働きがある」と指摘し、「基本的には、現在の住宅着工件数の平均値は、過去10年のそれを上回っており、2015年にかけても豪の建築市場は堅調に推移するであろう」とコメントしています。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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