2009/09/14 06:50 | 昨日の出来事から | コメント(0)
昨日の出来事から914
マック1個を買うのに必要な労働時間から見た世界は?
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おはようございます。
先々週号の経済雑誌エコノミストに、世界各地でビックマック1個を買うのに、必要な労働時間の比較をしていました。 というのも、単純にビックマック1個の値段を比較しても、それぞれの物価が違いますので、あまり意味がありません。 そこで、購買力としてわかりやすく比較したのが、それぞれの国でビックマック1個を買うのに必要な労働時間を比較しています。
一番安いのは、シカゴ、東京、トロントの12分です。 ロンドン、NYで15分程度。 おおよそ時給が800円として、12分働くと150円のビックマックが買える計算です。 シドニー、パリ、モスクワでは20分の労働が必要となります。 このようにして、世界の73の都市のビックマック1個を買うために必要な労働時間の平均は37分程度で、シンガポール、ドーハがこの辺りに位置しています。
ここからが、ビックマックがお手軽なファーストフードとは言えずに高級料理へと変わっていく分水嶺で、サンパウロでは約1時間の労働が必要ですし、メキシコシティでは130分の労働を必要とします。極めつけは、アフリカのナイロビでは、なんと約160分の労働で、やっと、ビックマックが1個買える計算になっています。 日本で言えば、2時間半の労働ですから、時給約800円として、2000円相当になります(それは、高い。まさに高級料理)。
ところで、民主党が、政権を担うことになれば、最低労働賃金を今の700円から1000円に引き上げることをマニフェストで掲げました。 もし、これが実現し、現在の物価がさほど変わらないとすると、今でさえ、世界トップクラスの安さで買えるのに、何と約8分程度で、ビックマック1個買えることになり、世界断トツで安く買えることになります。
ここからして、「何かおかしい」と気付かれると思います。 「日本だけが、しかも、今の不景気と停滞感がこれほど充満している日本が、世界で一番安く、ビックマックが買える?」
これはおかしい、そんなことはあり得ません。 何かかがあやしい。
結局のところ、何がおかしいと言えば、「最低賃金を700円から1000円に上げること、そのこと自体が無理な話」ということが、こうしたことからも、すぐにわかります。
(最低賃金を上げていただけるのは、とてもありがたいことなのですが、、、、、)
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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