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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2014/07/16 15:22  | 昨日の出来事から |  コメント(0)

7月の消費者信頼感指数は緊縮予算発表前の水準まで回復


おはようございます。

昨日、民間のANZ-Roy Morganが行った7月第1週の消費者信頼感指数は、その前の週に比べて3.4%上昇して、連邦政府が発表した来年度の緊縮予算発表前の5月の水準まで回復しました(ちなみに、緊縮予算発表後の消費者信頼感指数は6%急落しました)。

ANZ のシニアエコノミストJustin Fabo氏は
(1) 今回の回復の背景には、住宅価格が再び上昇し始めていることが、消費者の消費マインドをポジティブにしている。

(2)  また、住宅建築などの鉱山部門以外の産業が引き続き好調であることが消費者心理に安心感を与えている。

(3) 今後の見通しについては鉱山関連産業の緩やかな拡大に伴って消費者心理も緩やかな拡大を続けるであろう。

とコメントしています。

また、この日、RBAが今月1日に行った定例理事会の議事録が公開され、
(1) 現在の低金利政策が豪経済の下支えとして機能しながらも、これが現在の鉱山関連産業の低迷と相殺されてしまう可能性があり、今後の金融政策の判断は難しい。(ちなみに、昨年の鉄鉱石は、中国経済の失速を背景に30%も下落しました)。

(2) 現在の為替市場における豪ドル水準は、豪のバランスのとれた経済成長に対して足を引張る要因になっている。

(3) 現在の豪経済は、鉱山関連輸出が伸び悩む中、平均的な成長トレンドを下回る形で推移しており、今後、暫くはこの状態が続くであろう。

(4) 新規住宅販売は過去10年間で最も早いペースで伸びており(過熱しており)、中古住宅市場にも過熱感が出始めている。

(5) 一方で、労働市場では、雇用は若干改善してきているものの、賃金の伸びは非常に緩やかなものに留まり、労働市場は低迷している(ちなみに、理事会後の7月10日に発表された6月の豪の失業率は10年ぶりに高い6%台まで上昇し、RBA理事会の指摘が今回の失業率の数字となって表れています)。

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