2014/06/20 14:40 | 昨日の出来事から | コメント(0)
投資と天候の関係
今週号の英誌エコノミストに掲題に関する記事がありましたのでご紹介したいと思います。
これまでもしばしば「気候が良くなると人々は楽観的になり、経済活動も活発になって株価が上昇する」と言われてきましたが、今回、英誌エコノミストが紹介している調査では「気候が非常に寒くても株価が上昇する傾向があると分かった」というのです。
それは、ヨーク大学のMingDong and Anderannce Trembleyが、1973年から2013年までの世界49か国の株価とそれぞれの地域の天候との関係について調べたところ、まず、調査する前から予想された通り、温かい気候は株価の上昇をもたらすことが分かりましたが、その度合いが過ぎて猛暑ではその関係が壊れてしまいます。
また、今回の発見は、それだけでなく「寒い気候の時も株価の上昇をもたらす」ことが分かったのです。その理由ははっきりしませんが、特に、-8度以下の気候になると市場参加者は積極的になることが分かりました。
加えて、この著者たちは、季節ごとの天候だけでなく、日々の天気と株価についても調べたところ(具体的には朝5時から9時の天気とその日の株価の関係を調べ、晴れている時に買いポジションを取り、天気の悪い時に売りポジションを取るシミュレーションを過去、2-30年間に亘り行った)、なんと+25%のリターンを生み出したのです。
ですが、同時に、著者は「今回の売シミュレーションでは、熱帯地域、アメリカ、アジアの株式市場では全く機能せず、また、売買に関するコスト(bid-offerスプレッドや売買手数料等)を勘案してない」と但し書きを加えています。
英誌エコノミストは、最後に少し皮肉を込めて「この売買ルールが機能するのは、長く寒い時期が続き、しかも天気の悪い北欧辺りの株式市場かもしれない」と締めくくっています。
読者の皆様も、株価と天気や天候の関係について、読者の皆様なりに何らかの関連をお感じになった方も多いのではないでしょうか。
私も、夕日が綺麗な翌日には株価が上昇する気がして「明日は寄り付きから買ってみるか!」とか、「東京が大雪の日には、なぜか株価が上昇するなあ」と感じた事が何度もあったことを思い出しました。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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