2014/05/23 14:35 | 昨日の出来事から | コメント(1)
「待ち」の姿勢を続ける日本のメガバンク
今週号の英誌エコノミストに日本のメガバンクに関する記事がありましたのでご紹介したいと思います。
去る5月14日に、日本のメガバンクは2013年度の決算を発表しましたが、昨年はみずほ銀行の反社会勢力との取引が明るみに出るなど、企業ガバナンス問題に苦しんだ年でした。 加えて、アベノミクスによる経済活性化政策の一つとして、企業貸し出しを増やすことを政府や日銀から迫られた年でもありました。
それに伴って東京三菱UFJ銀行は、これまで大量に抱えていた日本国債の内、8兆円近くも残高を落とし(ポートフォリオ全体の約5分の1)、他の2行もこれに追随しています。 それを肩代わりするかのように、日本銀行が黒田総裁の打ち出した異次元の金融緩和政策に基づいて、新発国債の3分の2を市場から買い取る金融緩和政策を現在は推し進めています(それにしても、日本銀行が新発国債の3分の2の国債を市場から買い上げるのは、やはり異常です)。
その一方で、大企業を始め多くの日本の企業の資金需要は引き続き弱く、昨年の銀行貸し出しは2%の増加に留まり、せっかくメガバンクが国債を売却し保有した大量の余剰資金は、行き場もなく日銀口座(当座)に滞留したままです。
ところで、メガバンクの決算(収益)については、リーマンショック前の2006年の水準をも上回る好決算でしたが、その要因は、(1)アベノミクスによる保有株式の大幅な上昇、(2)これまでの長きに亘り続けてきた不良債権処理が大幅に減った事、そして(3)海外の貸し出しが増えたことが挙げられます。 肝心の国内の貸し出しは、他行との貸し出し競争で今や貸し出しの利ザヤは殆どない程まで厳しい状況です。
幸いにも、2014年第1四半期のGDPの速報値は前期比+5.9%の非常に高い成長でしたが、これは「2014年4月の消費税引き上げ前の駆け込み需要による一時的なもの」との見方が大勢で、国内企業からの資金需要拡大は引き続き期待薄です。
今後の日本のメガバンクの行方について、英誌エコノミストは「国内企業の資金需要の掘り起こし、反社会勢力との不正な取引を断ち切る為の企業ガバナンス問題、更には、過去からの慣習である銀行と企業の株の持ち合い解消など、取り組まなければならない課題がまだまだあるが、ひとえに、アベノミクス(更なる規制緩和と成長戦略によって)銀行も企業も将来に対する見通しに自信が持てれば、これらの問題はより簡単に解決できるであろう」と締めくくっています。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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One comment on “「待ち」の姿勢を続ける日本のメガバンク”
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楽観的・・
それが・・怖い・・
悲観的記事・・
あちらも・・こちらも・・幸せ・・・(笑)