2013/09/12 15:51 | 昨日の出来事から | コメント(2)
当世、乗り合いバス事情
先日、私用で(とはいっても私の場合は全て私用なのですが)、東北のある町に出かけた時のことです。電車の駅を降りて、目的地までバスで行くことにしてその停留所に向かったところ、その行先には大学を幾つか経由するためか、多くの大学生が長い列をなし、私はその最後尾に立ちました。
程なくして、発車の時刻に合わせてバスが停留所の前に止まり、それまで待っていた人は一斉に乗り始めたのですが、どうした事か、すぐにバスが込み始め、私が乗る頃には、奥の人が更にゆっくり足を進めないと乗れないほど込んでしまいました。 バスの外で並んでいた私は、中のバスの窓側には幾つも席が空いているのが見え、「どうして、空席がたくさんあるのにこんなに混むんだ?!」と不思議に思っていたのですが、バスに乗った後にその理由が分かりました。
何と、そのバスの座席の3割近くの席が「優先席」になっていたのです。 優先席とは、読者の皆様もご存じのように、お年寄りや、体の不自由な人、あるいは妊婦や小さな子供連れの方の為の席なのですが、その日、その場に居合わせた乗客の中では、僕が一番年長で、しかも、全員、元気な健常者ばかりなのです(ちなみに私は55歳なので、自分が「年寄り」との認識はいまだ持ち合わせていません)。
「そうか、今の日本の乗り合いバスでは座席の2~3割は優先席であり、特にそれらはご年配の方に配慮した仕様になっており、私も含めて若者は、がら空きの「優先席」を横目に、ひしめき合って吊革につかまらなければならないのが実情なんだ」と、なんだかやりきれない気持ちになりました。
と同時に、「バス会社もバス会社で、学生の多い路線や、彼らが利用する時間帯では、優先席のシートカバーを減らすなどの工夫をどうしてしないのか?」と、融通の利かないバス会社の殿様商売振りに腹立たしさを覚えました。
そのことを、目的地についた後、役所に勤める友人に訪ねたら、「バス会社としては、お年寄りがバスの運行中に転倒されるのが一番のリスクであり、出来れば、年寄りは“全員”座席に着席ほしい為、かなりの割合を優先席にしている」と答えてくれました。
かつては、若者や中年のおばさんが優先席を占領して、お年寄りが座ることが出来ない光景をしばしば見かけましたが、今は逆で、車内は寿司詰にも拘わらず、多くの優先席が空いたままでバスが運行される光景は、それはそれで非常に違和感を覚え、若者に対する暗黙の威圧感に近いものがありました。
どこかで、何かがおかしくなっていませんか?!
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
現在有料版にはお申し込みいただけませんのでご了承ください。
当社に無断で複製または転送することは、著作権の侵害にあたります。民法の損害賠償責任に問われ、著作権法第119条により罰せられますのでご注意ください。
2 comments on “当世、乗り合いバス事情”
コメントを書く
いただいたコメントは、チェックしたのち公開されますので、すぐには表示されません。
ご了承のうえ、ご利用ください。
すぐに・・
有難く思えるようになる・・
手を合わせるようになる・・・(笑)
その大学生達が、若者同士で優先席に座るのを良しとしない美徳でしょう。一般のJRなどでは見られない光景では。