2013/08/16 15:43 | 昨日の出来事から | コメント(1)
Taxonomics(Tax+Economics)!?
先週号の英誌エコノミストにTaxonomics (TaxとEconomicsの造語)と題した記事が掲載されていましたのでご紹介したいと思います。
先週に日本では2013年第2四半期のGDPが前期比プラス0.6%(年率+2.6%)と発表されて、市場の関心は「消費税をどう引き上げるか?」に集まっています。
まず、法律的には、読者の皆様もご存じのように、民主党政権時代に決定した現行消費税5%を2014年4月に8%に引き上げ、2015年10月に10%に引き上げることになっています。 しかし市場関係者の試算によれば、消費税を一気に3%引き上げれば、それだけでGDPを1%押し下げるマイナス効果があり、これでは景気が失速して税収が大幅に減少してしまうリスクが大きく、折角、消費税を上げても税収そのものが減っては元も子もなくなってしまいます。
そこで、次の選択肢としてエール大学教授である浜田教授が提唱している、今後、5年間に毎年1%ずつ引き上げていく方法が検討されています。 この方法によれば、毎年、消費税が引き上がられていきますので、消費税引き上げ前の駆け込み需要が長期間に亘って期待でき、更には消費税を大幅に引き上げによる景気の腰折れリスクを回避できるとしています。
一方で、逆に、もしここで消費税を上げないという選択肢は取れば、日本の財政規律が大きく毀損して国内外から批判を受け、更には債券市場では国債の担税力(日本国債を保有するにあたっての唯一の担保である徴税能力)に疑問が投げられ、大幅な金利上昇を引き起こすリスクがあります(先週には、日本銀行もこの点を指摘し、政府が消費税引き上げを延期しないよう釘を刺しています)。
いずれにせよ市場関係者は、どういう形であれ消費税が引き上げられることで財政規律が保たれているメッセージを発信することさえできれば、債券市場は落ち着いた対応を取るであろうと考えています。
また、英誌エコノミストが独自におこなったアンケート調査によれば、アンケートの回答者の70%の人は、政治家が思っている以上に日本がギリシャのような財政危機に陥らない為にも消費税引き上げに対しては容認(覚悟)していると指摘しています。
今年の秋は、消費税の引き上げの方法とTPPの行方に注目です。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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One comment on “Taxonomics(Tax+Economics)!?”
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夜這いnomics・・
では・・・?