2013/08/01 15:38 | 昨日の出来事から | コメント(0)
Baby Boomerは今や Busy Boomerに?!
先週号の英誌エコノミストに、現在のベビー ブーマー(Baby Boomer)の雇用状況に関する記事がありましたので、ご紹介したいと思います。
OECDによりますと、これまでの1970年台、1980年台、更には1990年台の不景気においては高齢労働者を主に人員削減が行われ、早期退職制度や日本では「肩たたき」といった方法で、多くの高齢労働者が削減される形で雇用調整が行われてきました。
しかし、リーマンショック以降の不景気において、15~24歳台の失業率は、この期間に4%上昇し、 25~54歳までの失業率は1.8%上昇しました。 ところが、本来、最も失業率が高くなるはずの55~64歳までに高齢労働者の失業率は、この間、上がるどことか、何と2%も低下しているのです。
これは、一体、どうしてなのでしょうか? 考えられることの一つ目は、企業にとって高齢労働者を早期退職させるコストが以前よりも高くなってしまっているのです(かつては、政府がこうした早期退職制度に対して様々な優遇措置で支援していたが、最近は財政上の観点から、こうした支援はなくなった)。
次に、今の高齢労働者(55~64歳)は、かつての高齢労働者に比べて健康で元気でいることが挙げられます。 そして、何よりも、この年代の人は、より高い教育受け、他の年代の人に比べて勤勉なのです(現代の若者にとっては耳の痛い処)。
では、将来的にもこうした傾向が続き、このまま放置されていいのでしょうか? 英誌エコノミストは、きっぱり「ノー!」と言っています。 と言いますのも、そもそも企業家は、労働を「一つのまとまり」として見るのは間違いであり、高齢労働者はこれまでの伝統的な業務には向いているが、一方で、若者はIT関連の業務は得意であるといったように、労働にはそれぞれの世代の得意分野があり、企業家はこれに気付くべきである。 にもかかわらず、高齢者を雇用するだけで若者を雇用しないのは、企業家がそれをうまく見つけることが出来ないからに過ぎないと厳しく批判しています。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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