2012/05/22 06:33 | 昨日の出来事から | コメント(1)
金環食の瞬間の出来事
昨日は、日本国中、金環食観測で大騒ぎでしたが、かくいう私も、日本でこれだけ多くの地域で金環食を見ることができるのは932年振りと聞いて、「そんな世紀の大イベントにオーストラリア辺りでブラブラしている場合ではない」ということで帰ってきました。
いま、私達は、昨年の1100年以上遡る貞観地震(869年7月9日)以来といわれる東日本大震災といい、首都圏で金環食が見ることができるのは173年振りで、また、これほど日本の広範囲にわたり見ることができるのは実に932年振りの事と言われ、更には来月の6月6日には金星が太陽を横切る姿を見ることができますが、この現象を次に見ることができるのは105年後の2117年12月までないといった、実に、時空を大きく越えた歴史的出来事の最中にいることを痛感せざるをえません。
昨日の私は、いつも通りに起床し、先日買っておいた日食用メガネを持って、周りの障害物のない場所として知られる浅間山のふもとに広がる畑の真ん中まで出かけると、既に何台かの車が止めてあり、写真マニアや天体マニアの人が陣取ってカメラを太陽の方に向けては覗きこんでいました。
そして、朝7時過ぎに辺りがやや暗くなり初めた時の事です。
遠く離れた森のあちこちから、普段はあまり啼く事がないヤマドリ(尾の長いきじ科の鳥)が一斉に鳴きはじめ、それに呼応するかのように今度はカッコウやウグイスまでも普段とは違う程、あちこちで啼き始め、辺り一面は鳥の鳴き声の大合唱となったのですが、金環食の直前には、ぴたりと啼き声はやみ、金環食の時間帯は、しんと静まり帰ったのでした。
そうなのです。鳥たちは、今、空で起こっている出来事が、雲で太陽が隠れていくのではなく、通常とは違った形で輝きを失いつつあることを、私達のような日食用メガネで見なくてもちゃんと分かっているのです。
私にとりましては、金環食を見るのは生まれて初めてでしたが、それ以上に、金環食前の周りの森から聞こえてくる異様なまでの鳥たちの鳴き声と、それとは対照的に金環食の時間帯の、やや薄暗く、そしてひんやりとした静寂さが強く印象に残りました。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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One comment on “金環食の瞬間の出来事”
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洞穴に住んでいた頃・・
鳥達と同じように・・
感じられたでしょうねぇ・・我々も・・・