2013/05/01 15:03 | 昨日の出来事から | コメント(2)
ジェネレーション ジョブレス
今週号の英誌エコノミストに「ジェネレーション ジョブレス(Generation Jobless)と題した記事がありましたのでご紹介したいと思います。
若者の失業は、何も私達の日本に限らず、世界中の国々で抱える大きな問題であり、ILO(世界労働機関)の試算によれば、世界中で若者の失業者数(働きたくても仕事のない人の数)は3億人を越え、これはほぼアメリカの全人口に匹敵します。
そもそも若者の失業者の多い背景には、労働市場は最低賃金制度や、労働者の雇用を守るための法律や規制によって、若者や賃金の安い労働者の参入を妨げていることが挙げられます。 既に雇用されているものとしては、これは自分たちを守る権利であり、いわば防衛手段なのですが、その一方で、それが自分の子供たちや若者の雇用を阻害しているという何とも言えない「痛し痒し」の現状があります。
更には、労働市場の需要に見合うだけの供給(この場合には経済の成長)がない為にこうしたミスマッチが起きており、世界各国は、兎にも角にも自国経済を成長させることに躍起です。 確かに、経済を成長させることは、労働市場のミスマッチを解消する手っ取り早い手段ではありますが、それだけでは十分ではありません。 やはり、労働市場の規制緩和(雇用契約の柔軟さや賃金、あるいは就業に関する規制緩和)がどうしても必要であると英紙エコノミストは指摘しています。
加えて必要なことは、アメリカの若者に顕著にみられることではあるが、自分の受けた教育に見合う仕事に就けないケースが先進国の若者に多くあり、今後は、企業と大学の連携を深めることで高い教育を受けた若者と企業のニーズのミスマッチの解消に努めるべきで、こうした動くは、イギリスやドイツ、シンガポールや韓国においてこの傾向が出始めていると指摘しています。
英誌エコノミストは最後に「若者の失業問題は、近年、悪化の一途を辿る傾向にあるが、それでも最後の希望は残っている。 それは、政府が企業と若者の失業のミスマッチを解消と努力しているし、企業側も若者の投資により責任を取り始めており、何よりも、(IT等の)テクノロジーが教育や研修の民主化を手助けしており、今、世界は、教育や研修革命に匹敵するほどのチャンスを迎えつつあるようである」と締めくくっています。
今回の英誌エコノミストは、いつも皮肉たっぷりのコメントに比べてかなり楽観的で、私は、思わず「ほんまかいな~?!」と首をかしげてしまいました。 と言いますのも、いつの時代においても若者の失業の急増は社会を不安定にし、その不満は国内に留まらず、やがては国同士の紛争や大戦につながっていったことは歴史の語るところだからです。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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2 comments on “ジェネレーション ジョブレス”
パードゥン にコメントする コメントをキャンセル
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希望的願望・・
あるいは・・
神の試練を認めない・・反宗教的意見・・過激派・・・(笑)
サッチャリズムの失敗理念からの束縛から英誌エコノミストは出れていないようですね。
イギリスはどれだけの伝統技術(将来の産業の種)を失ったか、ご存知ですか?
若者の仕事は沢山あります。 国に役割の考察不足ですね。
金融緩和、規制緩和でおきたことを見ればあきらかなように、人間として生涯に必要な以上の資産である何兆円もの資産を1代で作った人達が輩出していながら、若者に正当な配分がいかなかった事でしょう。
そのお金を将来投資としての仕事にまわせば良いだけと思いますが。
採算ばかりいうケチな話ばかりが横行してますが、将来投資ができるお金として国がすいあげて、若者の仕事にまわしましょう。