2012/12/05 05:54 | 昨日の出来事から | コメント(0)
RBA, 政策金利引き下げ
昨日、RBAは、定例理事会で政策金利を0.25引き下げて年率3%とすることを全会一致で決定しました。理事会後のGlenn Stevens RBA総裁の声明は以下の通り。
(1) 去年の11月以来の6回にわたる政策金利の引き下げは、豪の実体経済にいい影響を与え始めているが、更なる政策金利の引き下げが妥当と判断した。
(2) 今回の政策金利の引き下げにおいて、豪経済はより持続維持可能な経済成長を辿るであろう。
(3) 消費者物価は、7月の二酸化炭素税導入によって一時的に上昇したが、現在は落ち着いてきている。 また、鉱業部門以外の設備投資は引き続き低迷し、公共投資は政府の財政削減によって減少している。
(4) オーストラリア国外の要因では、ヨーロッパは引き続き不安定であり、アメリカ経済は極めて緩やかな拡大に留まる一方で、中国経済はここにきて落ち着いてきている。
今後の市場の関心事は、民間銀行の貸出金利がどれだけ引き下げられるかにあります。 といいますのも昨年11月以来の政策金利1.75%の引き下げに対して、ローン金利はその3分の2程度しか下がっておらず、政府や国民から批判を受けているからです。 ジュリア ギラード首相も「民間銀行は、政策金利の引き下げ幅と同じだけ貸出金利を引き下げるべきだ」と圧力をかけています。
また、この日、ABS(オーストラリア統計局)は、豪の2012年第3四半期の経常収支を発表し、季節調整後で前期比AUD14.5bnの赤字となりました。 また、第2四半期の経常赤字はAUD11.8bnからAUD12.4bnに下方修正されました。 事前のエコノミストの予想は14.5bnでしたので、下方修正分も含めると予想以上に経常赤字が拡大したことになります。
これによって、2012年6月期と9月期で、それ以前のAUD2.1bnの経常赤字からAUD4.6bnの赤字へと大幅に拡大したことになります。 その一方で、第2四半期の対外債務は前期比変わらずのAUD748.7bnでした。
これを受けて、本日(12月5日)に発表される豪の第3四半期のGDPは、事前の予想では前期比+0.6%の成長に留まると予想されています(尚、第2四半期のGDPは+0.6%でした)。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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