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2012/11/07 06:00  | 昨日の出来事から |  コメント(0)

RBA、政策金利を据え置き


おはようございます。

昨日、RBA(オーストリラリア準備銀行)は定例の理事会を開き、現在の政策金利を据え置くことを決定しました。理事会後のGlenn Stevens RBA総裁の声明の主な内容は以下の通り。

(1) 今日の定例の理事会では、先日、発表された第3四半期のインフレ率が7月の二酸化炭素税導入の影響があったとはいえ、予想よりも高かった事、更には、世界経済において改善の兆しが見えることから、当面は、政策金利を据え置くことが妥当であると判断した。

(2) 豪の主力輸出品である鉱山資源の価格に関しては、今年初に比べてかなり値下がりした資源もあるが、それでも、まだ歴史的な高値圏で推移している資源もある(引き続きインフレ懸念が完全に払拭されたわけではない)。

これを受けて、為替市場では、豪ドルが他通貨対比で急騰し、対米ドルでは1.04ドル台前半まで買われました。

市場関係者のコメントとしては、HSBC のチーフ エコノミストのPaul Bloxham氏は「我々としてはもう一段の政策金利の引き下げを期待していたが、総裁の声明にもあるような背景で今日の政策金利の引き下げを見送ったのであろう」としながらも、「景気循環的には、豪経済は、そろそろ景気サイクルのボトムに近づいてきており、これに合わせて政策金利もボトムに近いのではないか」と指摘しています。

一方で、Patersons のエコノミストTony Farnham氏は「現時点では、我々としては12月にRBAが政策金利を0.25%引き下げると予想している。というのも、まず、ヨーロッパのギリシャやスペインの財政破綻危機が、未だ払拭されたわけではない事、更には、豪の鉱山資源価格が、今後、更に下落して設備投資が一層冷えこむリスクが残っているからである」と指摘しています。

クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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