2012/10/04 06:20 | 昨日の出来事から | コメント(0)
豪、貿易赤字は拡大し、新規住宅販売は15年ぶりの低さ
昨日、ABS(オーストラリア統計局)が発表した8月の豪の貿易収支は、季節調整後でAUD2.03bnの赤字で、2008年3月以来の大きな赤字水準となっています。 また、7月の貿易収支も556mnの赤字から1.56bnの赤字に下方修正されました。
ひとえに鉱山資源などの輸出が、価格、量の両面において減少したことが大きな要因で、昨日の赤字の大きさは、事前の市場関係者の予想した数字の3倍以上と予想外の大きさでした。
具体的には、輸出全体の10%を占める鉄鋼石などの鉱山輸出が7%下落し、昨年のピーク時に比べて30%も減少し、最高期であった2011年の2月に比べると46%の下落となっています。 また、同様に石炭も10%減少して3年ぶりの低い水準にとどまっています。
RBC Capital Markets のオーストラリア経済のヘッド エコノミスト Su-Lin Ong氏は「世界経済の停滞、特に最近の中国をはじめとするアジア経済の低迷が大きく影響している」とし、「このことが、直接的にオーストラリアの収入や、利益、更には設備投資に影を落としている」としています。
また、この日、民間のHIA(the Housing Industry Association:豪住宅協会)が発表した8月の新規住宅販売は前月対比5.3%減少し、1997年以来15年ぶりの低い水準にとどまりました。また、中古住宅の販売は同じく5.8%減少し、マンションなどの集合住宅販売は2.5%減少しています。特に、シドニーやメルボリンなどの商業地のある州や、これまで鉱山部門の好況に支えられてきた西オーストラリアの不振が目立っています。
今日の数字を見てみますと、昨日、RBAが市場の予想に反して政策金利を引き下げたのは正しい判断であった事を裏付ける数字あり、市場は、今日の数字を受けて、将来的に更なる政策金利の引き下げを積極的に織り込む形となっています。
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