昨日、発表された豪８月の雇用統計は、就業者数は９，０００人減ったにもかかわらず、失業率は前月の５．２％から５．１％に低下しました。　ただし、この失業率の低下は、労働市場参加率が０．２％低下して２００７年上期以来の低い水準にとどまった事が背景にあり、就職することをあきらめた人が増加した為に統計上失業率が低下したに過ぎません。

事前の予想では、雇用者数が減少して失業率は上昇すると考えられていましたので、発表時、市場は一時乱高下しました。

内訳としては、パートタイムの仕事を探している人は２３，３００人以上減少し（１３％減少し）、１５３，２００人で、失業者及び仕事を探している人の合計は６２２，６００人でした。　また、地域別では、シドニーのあるＮＳＷ（ニュー　サウス　ウェルズ）州の失業率は４．８％に低下する一方、西オーストラリア州の３．９％からタズマニア州の６．８％と州によってばらつきが広がる傾向にあります。

今日の雇用統計の数字を受けて市場関係者は、今後のＲＢＡの金融政策動向については見方が分かれています（失業率は下がったものの、その中身が悪いため）。

政府の雇用担当大臣Bill Shorten氏は「労働市場はやや弱含んでいるが、世界の他の先進国に比べると非常に健全である」とし、「豪経済は、当面は現在の水準でとどまり、豪政府もこれ以上悪化しないよう支援する」とコメントしています。