2010/03/25 05:30 | 昨日の出来事から | コメント(0)
ユ、 ユ、 ユーロが、、、その向こうに、円も、、、
昨日、ユーロは対ドルに対して2009年5月以来の安値を更新して1.33ドル台まで売られました。このきっかけになったのは、格付け会社フィッチが、ポルトガルの長期の外貨および現地通貨建て発行体デフォルト格付けをAAからAA−に格下げし、見通しをネガティブにすると発表したことでした。
先週末には、ギリシャ財政赤字問題の救援策をめぐってドイツとEU連合の対立が先鋭化し、これを嫌気してユーロが売られたところへ、今度はポルトガルの格付けの引き下げと、泥沼状態です。
英経済雑誌エコノミストは、所謂、地中海に面したPIGS(ポルトガル、イタリア、ギリシャ、スペイン)は、 「EUに接するかつての社会主義国(ハンガリー、ポーランド、エストニア、ブルガリア、スロベニア、スロベキア)ですら、財政問題に苦しみながらも、国家支出を削減し、税金を引き上げ、年金受給開始年齢を引き上げる等の改革を行い、一頃の財政規律の悪化に歯止めをかけることに成功したのだから、これらの国々を見習え!」と訴えています。
そして、どうしてこれらの国々が、こうした財政改革が可能であったかについては、雑誌エコノミストは、「Good Government とGood Luck」とやや皮肉交じりに言っています(私にはそう解釈されました)。
確かに、地中海のPIGSの財政規律のなさを示す一例を挙げますと、ギリシャの年金受給資格は58歳と他のEU連合のそれよりも10歳近く若い時から年金がもらえます。しかも退職時の所得の96%を年金として支給されるというありがたい年金制度なのです!(これでは財政が破綻するのも無理はありません)。
振り返って、果たして、私たち日本に「Good Government とGood Luck」があるのでしょうか。
ユーロの暴落の向こうに、ぼんやりと円の姿が見えるのは、私だけでしょうか。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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