2010/03/16 05:18 | 昨日の出来事から | コメント(0)
2010年第2四半期の世界各国の雇用見通し
今週号の英経済雑誌エコノミストに、2010年第2四半期の主要各国の雇用見通しをまとめていましたのでご紹介します。
2010年の第2四半期の企業の採用見通し(雇用を増やす−雇用を減らす)をパーセンテージで表し、この差が大きい順に並べてみますと、第1位は、「BRICsの雄、ブラジル」で38%と、雇用を増やす計画の企業が雇用を減らす予定の企業を大幅に上回っています。 第2位は、やはり「BRICsのトラ、インド」の36%と続きます。3位にBRICsに続く第2集団であるVISTA(ベトナム、インドネシア、シンガポール、タイ、アルゼンチン)の一つであるシンガポールの23%が食い込み、4位には、やはり「BRICsの竜、中国」が来てBRICsの健在ぶりを見せつけています。
それにしても、今の世界を引っ張っているのはアジアとその周辺であることが、この雇用見通しからもはっきりと出ています。
私たちの「日、出る国、日本」は中国の後塵を拝するものの、12%と今後は雇用が回復する兆しを示していますし、今回の統計には出てきませんでしたが、私の住んでいるオーストラリアも好調です。 その後に、カナダの11%、アメリカの9%と続きます(そういう意味では、アメリカの失業率も今後は回復しそうです)。
その一方で、ヨーロッパの低調ぶりは酷く、EUの盟主国ドイツは2%台と低迷し、フランスも1%、イギリスも同じく1%程度にとどまっています。 ここからはEUの劣等生PIGSの悲惨ぶりが出てきます。 ギリシャは統計が出ていませんのでよくわかりませんが、同じ仲間のイタリアが−10%、 同じくスペインも−10%と際立って雇用見通しが悪い状態です。
このように、雇用見通しから見ても通貨としてのユーロの低迷は相当根深いものがあり、自律反発はあっても、本格的な回復は当面、見込めそうにありません。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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