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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2011/03/29 06:03  | 昨日の出来事から |  コメント(4)

今こそ、日本にも「緑(Green)の党」を!


おはようございます。

読者の皆さまから、「東日本大震災で、大変な時に、何を訳のわからない事を?!」 あるいは、「政治の事は何も分からない、所詮、世間を混乱させるだけの投機家が何を戯けたことを?!この無責任男め!!」とお叱りを受けることを百も承知で申し上げたいと思います。

といいますのも、今回の東日本大震災、特に福島第一原発事故で、世界は改めて気付いたようです。
3月28日の行われたドイツの地方選挙(バーデン・ビュルテンベルク(Baden-Wuerttemberg)州議会選挙)では、反原発を上げる野党「緑の党」が大勝利をしました。ここは、フランスとスイスの国境に面する州で、ダイムラーベンツや、車部品大手Boshの本社のあるドイツ経済の中心地です。

有権者の45%が今回の選挙の争点は「原子力政策」だと答え、メルケル現首相が、これまでの原子力抑制政策をぐらつかせたことが、大きな敗因となりました。

また、ここオーストラリアでも、先週末に行われたNSW(ニュー サウス ウェルズ州:シドニーのある州)の地方選挙では、これまで政権を維持してきた労働党が、自由党連合に負けました。この事自体は2大政党政治の政権交代で大した問題ではないのですが、その中にあって、第3党である「緑の党」が躍進しています。

今、日本では、4月の地方選挙戦の最中ですが、各立候補者は「これまでの原子力政策の安全性を見直す」と言っていますが、誰も「原発の廃止」をいう候補者はいません。何故ならば、既存政党の下(あるいは推薦を受けている下)では、そこまで言えないのです。

また、東日本大震災の復興に関しても、「一日も早い復興を!」と声高に言いますが、「じゃあ、どう復興するのか? 前と同じシャッター商店街をつくるか?」。あるいは「以前のように、 全国どこも同じような風景に再びするのか?」。 はたまた「今度は、20m津波が来ても大丈夫な堤防を作るのか? 世界で一番頑丈な堤防が、あれ程無残に破壊されても?」。それとも 極めつけは「どんな地震や津波にも絶えうる原子力発電所と称して、海岸に100mの高台をつくって、その上にまた、原発1号機、2号機、・・・今度は100号機まで作りますか? だって、今度は、絶対、地震や津波に大丈夫なのでしょう?!」

55年続いた自民党一党独裁政治から政権を奪取した民主党ですが、結局は、全てのマニフェストの殆どを反故にして、今や、看板が自民党から民主党に変わっただけで、それ以外は何も変わらなくなってしまいました。
また、自民党は自民党で、大震災が起きるや否や、あれ程反対していた「平成23年度予算案を成立させることに合意する」と言うのも変な話です。 じゃあ、あの国会の論戦は、所詮、予算案を人質にして解散総選挙に追い込むだけの政局絡みの動きに過ぎないのであって、中身の議論ではなかった事がはっきりしてしまいました。 挙げ句に、大連立も視野に入れていると聞き、呆れて物が言えません。

もう、これまでの既存政党に、今後の、特に大震災後の日本を任せる事をやめませんか?!
そこで、日本にも「緑の党」の設立を提案したいとい思います。
ちなみに、ドイツや、オーストラリアの共通する「緑の党」の綱領をちょっと調べて見たのですが、

1.原子力発電所廃止、もしくはこれ以上頼らない(では、その代替はどうするのか?これが大問題ですが、、、!)
2.環境や動物保護(防災と称して自然に立ち向かうのではなく、自然に帰す(調和する)国土政策)
3.同じ労働に対しては、正規、非正規、男女、あるいは年齢で賃金差を設けることを禁止
4.男女平等、かつ同性愛者の社会的地位の保証 等など

何も全てを日本版「緑の党」の綱領に受け入れる必要もないと思うのですが、日本でも「緑の党」が(名前は何でもいいのですが)、新しい発想と新しい政党が必要な時が来ていると思います。

そして、日本版「緑の党」の綱領に、どうしてもつけ加えたい綱領が1つあります。それは、「他の既存政党からの乗り換えは認めない」です(何故ならば、それを認めてしまえば、結局は「自民党もしくは民主党もどきの政党」が再び出来てしまうからです)。

読者の皆さまから、「そこまで言うのであれば、じゃあ、お前がやれ!」と言われそうですね。
(困った、、どうしよう、、、どうしたら、これが、形になるのだろう?何か、いいお考えがあれば、教えていただけませんか?)。

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4 comments on “今こそ、日本にも「緑(Green)の党」を!
  1. 端株株主 より
    賛成

    日本の環境政党は、どうもうまくいかないですねぇ。エコロジーというと、非科学的なとんでも系の人がどうしても湧いて出てしまって。地道にまともな活動をしてる自然保護団体はいろいろあるんですけどね。

  2. ベルドン より
    じゃあ・・

    お前がやれ・!!・・

    言ってやった・・・!

  3. 雑感 より
    かつては・・・

    かつては日本にもバブル前後に緑の党はあったのですよ。ただ、いつも参議院選挙に出ては惨敗するので、いつのまにか消滅したのだと思います。

  4. panda より
    日本版「緑の党」あります!

    日本にも「緑の党」を目指す「みどりの未来」という政治団体を見つけました!(→http://greens.gr.jp/)
    この団体は世界の緑の党のグローバルネットワーク「Global Greens」の正式加盟団体のようですね。
    こちらの「緑の党」(→http://www.greenparty.gr.jp/)は、「Global Greens」から認められてはおらず、独自に名乗っているだけのようです。

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