2010/09/09 05:23 | 昨日の出来事から | コメント(1)
豪、やっと、労働党政権成立へ
8月21日に総選挙があったオーストラリアは、17日間の政治の空白を経てやっと、現政権であるジュリア ギラード政権が過半数の76議席を確保して、組閣作業に一昨日から入りました。
前首相のケビン ラッド氏を引きずり下し、その後の世論調査で新しい政権の支持の高さを背景に圧勝を目論んで議会を解散し、ジュリア ギラード政権に対する国民の信を問うた今回の選挙は、結果としてはジュリア ギラード氏率いる与党労働党が73議席、トニー アボット氏率いる自由党連合が73議席とどちらも過半数の76議席に届かず、ジュリア ギラード政権はこの点では選挙に負けたと言えます(労働党内には、ジュリア ギラード氏の責任論や交代論がくすぶっていますが、つい最近に前党首のケビン ラッド氏を引きずり下ろしたばかりなので表沙汰にまでに至っていません)。
その後、各政党は、少数政党(グリーン等)1名と残り4名の無所属議員の獲得合戦に突入し、 その結果、選挙運動中のマニフェストはボロボロまでに修正と妥協を余儀なくされました。 例えば、ジュリア ギラード次期政権は、(グリーン党の要求によって)今まで認めていなかったゲイ(Gay)の結婚に対して一定の道筋をつけることを約束させられ、(タズマニアの無所属議員の要求によって)タズマニアの病院や学校の更新費用AUD1bnを特別計上(バラまき)することを約束させられる羽目になりました。
一般的には、2大政党政治は政権運営能力を共に持つ政党が、程良く交代することで、不正や汚職が排除され、政権が刷新されることで政治が活性化されると言われますが、今回の選挙結果は、逆に2大政党政治の悪い点が露呈した形となりました。 つまり、2大政党のどちらもが過半数を確保できなかった時には、僅か数名の少数政党や無所属議員が政治を左右してしまい、選挙戦で戦ったマニフェストそのものすら変更させられてしまうからです。 英誌エコノミストが事前に予測した「今回の豪の選挙は、とてもエキサイティングな選挙戦であるが、結果はオーストラリア国民にとって不幸なものとなる」の意味がよくわかりました。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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One comment on “豪、やっと、労働党政権成立へ”
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世論調査を・・
友とするのは構わない・・
しかし
パートナー・・とするのは・・不誠実すぎる・・
と
新首相の顔が・・物語っている・・
そんな実例が・・・