2010/02/16 05:28 | 昨日の出来事から | コメント(1)
旧正月に見る“日式”の偉大さ
日本では、2月14日と言えばバレンタイン デイでしたが、 今年の2月14日は中国圏では春節祭(日本の旧正月)にあたり、こちらブリスベンでも多くの中国系の人がお祝いをする光景を目の当たりにしました。その中にあって、少し変な話ですが、私たち日本 “日式(日本製)” を新たに発見しましたのでそのことについてお話したいと思います。
ブリスベンの郊外にサニーバンクといって中国人が多く住む地域があり、そこのショッピング モールへ先週末、買い物に出掛けました。そこは春節祭(旧正月)を前に大賑わい。 獅子舞いや民族踊りや書き初め等、正月ムードいっぱいの中、こういう時だからこそ日頃見られない様々な事情も垣間見ることが出来ました。
まず、これまで気がつかなかったのですが、中国人のショッピング モールと一言で言っても、実は台湾系中国人のモールと大陸系中国人のそれと分かれていることに気づかされました。四つ角の一角は大陸系中国(Great China)の店が並び、もう一方の一角には台湾系中国人(Taiwan CHina)の店が並ぶと言った状態です。
日頃は気づかないのですが、こうしたお祭りになると地元の独自の習慣が出て、台湾、台式、云々という表記が目立ち、「ここは台湾系中国人たちのコミュニティと良くわかります。
ところで、この台湾系のショッピング モールはともかくすごいのです。 申し訳ないのですが大陸系中国人のやっているそれより、綺麗で華やかです。 元来、オーストラリアに移住してきたのは華僑や台湾系中国人ですので、最近になってやってきた大陸系中国人とは力の差を見せつけています。
また、喫茶店に入ると、一見、日本の女性情勢雑誌なのですが文章だけ台語(台湾で使われている中国語)に翻訳された、所謂、日式雑誌や、同じようにマンガのセリフだけ台語に翻訳された日式マンガがずらり。 しかも私たちが日本人だとわかると日本語で話しかけてくる。それがとても上手で思わず「日本人の方ですか?」と声をかけて、「いいえ」とにっこり笑われる始末。 おかげで(!?)、このモールにいる中国人と思しき女性たちは日式女性誌で化粧やおしゃれを研究しているせいか(あるいは私の勝手な思い込みのせいか)、本当に日本人と区別がつかないほどです。
さて、台式、中式に限らず、スーパーや電気製品店に行くと、大きな横断幕で「日式(日本製)の食材、電気製品を買って春節祭をお祝いしましょう!」とあり、 また、各商品のコーナーでは、「店長が保証する日式商品!」と言った張り紙があちこちに見られました。
買い物客が、日式のラーメン、日式の食材、挙句に日式の浄水機を買っている姿を見て驚きました(オーストラリア人や日本人である私は、現地の水をそのまま飲んでいるのですが)。 アジアの人は(大陸系、台湾系を問わず)、皆さん、日式(日本製)を本当に信頼し、値段が高くても買いたいのです。
今、トヨタのリコール問題でアメリカに叩かれ、トヨタの安全に対する信頼が揺らいでいますが、こちらでは「トヨタの事だから、次の新型プリウスはもっと安全になる筈だからそれを買う。」と楽しみにしている様子でした。
政治の話や歴史認識などの問題を通じて、あるいはマスコミ報道の歪み等によって、私も含めて多くの日本人は、やもすると「日本は、アジアの人々から敬遠されているのではないか」とお考えの方も多いと思いますが、実は、彼らは日式(日本製)を信頼し、憧れに近い思い入れをもって買いたがっているのです。これって、すごいことですよね。 そう考えたら、久しぶりに得も言えず嬉しくなり、それこそ日式の食材を買いあさったのでした(馬鹿みたいですが)。
買い物を終えて、レジまで来て「今日は、沢山買ったな。 さて、いくらかな。 多少は高くついたかな。」と財布を取り出し、レジに打ち出された目の飛び出るような高い合計金額に愕然! 「はあ〜っ!?やられた!台式の商売にまんまとやられた!!」と気づいても後の祭り。 私の後ろには長蛇の列をなして待っている人がおり、この期に及んで日式商品を返すわけにいかず、それこそ顔をひきつらせてお金を支払ったのでした。
そこへ、店長と思しき中国人が駆け寄ってきて、たどたどしい関西弁で 「マ、イ、ド、 オ、〜、キ、ニ!!」と、とどめを刺され、私は、財布を握り締め、ただ、天を仰ぐのが精一杯でした。
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One comment on “旧正月に見る“日式”の偉大さ”
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散財はなさいましたが、
散財の価値がある経験をなさいましたよね。
それだけ、高い値をつけていても、
台湾系の方は、喜んで買われている。
財布を気にしながら、買い物を絞る
日本人とは、様子が違いますね。
中国景気で、台湾系も大いに
潤っている様子が良く分かります。
表面的には対立点を演出しても、
もはや台湾が中国から離れるのは、
難しいのでしょうね。
拝読して、そんな印象を持ちました。