プロが語る世界情勢・政治・経済金融の最前線!

The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2010/09/01 05:28  | 昨日の出来事から |  コメント(0)

豪、第2四半期の経常収支は1989年来の最も少ない赤字に


おはようございます。

昨日、オーストラリア統計局(ABS)は、豪の第2四半期の経常収支を発表し、第1四半期のAUD16.46bnの赤字からAUD5.6bnの赤字まで経常収支は縮小しました。 この数字は1989年第1四半期以来の少ない赤字となっています。 ひとえに鉱業(鉄鋼、石炭)の価格が今年の4月以降大幅に引き上げられた事が功を奏した形になっています(おかげで、日本の石炭を多く使っている電力各社は電気代の値上げをしました)。 

内訳的には、第1四半期の財とサービスがAUD6.497bn改善した後に、第2四半期では貿易(鉱業を中心)がAUD9,7bn増加しています。 この結果、輸出の増加によってGDPを0.4%押し上げたとABSはコメントしています。 ちなみに本日(9月1日)に第2四半期のGDPが発表される事になっており、市場関係者は、1%の上昇を見込んでおり、年末にかけてもこれまでのトレンドに沿って景気は拡大するとの見方が大勢を占めています。

また、この日、7月の小売売上高が発表され、予想よりも高い0.7%増加してAUD20.4bn)であったとABSは発表しました。 カフェやレストランの小売売上が前月比6%増加し、食品の売り上げも堅調に推移しました。

また、住宅およびアパートの建築許可件数が発表され、6月から7月にかけてここ数カ月来、最も高い2.3%増加しました。 更に、主要都市の住宅価格は、6月には17カ月ぶりに低下していましたが、7月は0.4%の価格上昇に転じています。

更に、6月から7月にかけての民間部門への与信は、0.1%増加しました(前年同月比で2.8%増)。

今日の一連の景気指標の発表を受けて、「最近になって、やや景気に陰りが出ていたが、ここに来てやや持ち直してきており、豪経済の底堅さが窺える」との見方が出ています。
されど、そうはいっても、市場は、今日のGDPの数字を見極めてから判断したいようです。

クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
現在有料版にはお申し込みいただけませんのでご了承ください。

当社に無断で複製または転送することは、著作権の侵害にあたります。民法の損害賠償責任に問われ、著作権法第119条により罰せられますのでご注意ください。

コメントを書く

* が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

いただいたコメントは、チェックしたのち公開されますので、すぐには表示されません。
ご了承のうえ、ご利用ください。