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2011/03/02 05:25  | 昨日の出来事から |  コメント(0)

豪、RBAは政策金利据え置き


昨日、RBAの定例理事会で現在の政策金利を今後暫く据え置くことを決定しましたが、一方で賃金の上昇が加速していることに警戒感を表明しています。  定例理事会後のRBA総裁Glenn Stevens氏の主なコメントは以下の通りです。

(1)オーストラリアの貿易の水準は、(鉱山関連を中心に)過去60年間で最高の水準にあり、国民所得は非常に力強く成長している。
(2)2010年の雇用環境は非常にしっかりおり、失業率は大幅に低下し、賃金が急上昇し始めている。
(3)多くの景気指標では、今後も雇用は堅調に推移しそうであるが、そのペースはここに来て緩んできている。 しかし、熟練技能者の求人は引き続きタイトである。
(4)2009年の金融危機に賃金は大幅に低下したが、ここに来てそれ以前の水準まで回復している。
(5)一方で、消費部門は鉱業部門とは反対に、消費や借り入れに対して警戒的であり、現在の所得を金利の高い貯蓄に回している。

 また、この日、ABS(オーストラリア統計局)は、1月の小売売上高を発表し、季節調整後でプラス0.4%上昇し、AU20.44bnドルと発表しました(事前の予想は プラスの0.3%でしたので、予想を若干上回った形になっています)。 JP MorganのエコノミストHelen Kevans氏は、「今回の数字は、デパート部門はしっかりしてものの、他の部門は弱く、全般的にまだら模様である」とコメントしています。

更に、この日発表された2010年第4四半期の経常収支は、季節調整後で7.3bnの赤字でした(事前のエコノミストの予想ではAU7.1bnでしたので、ほぼ予想通りとなっています)。

Nab(National Australia Bank)のオーストラリア担当エコノミストRob Henderson氏は、「今回の数字は、部門毎にまだら模様であり、その数字よってRBAがこれまでの政策を変更するまでには至らないであろう」とコメントしています。

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