2010/08/11 05:21 | 昨日の出来事から | コメント(1)
円高なんてへっちゃら!?
今週の英経済雑誌エコノミストに日本の企業の様変わりについての記事がありましたのでご紹介したいと思います。
まず、2000年には日本の主要企業の対米輸出の割合は全体の30%を占めていましたが、2010年にはその半分の15%程度まで落とし、特に2008年以降は激減しています。 そして、対ヨーロッパですが、2000年は全体の15−20%辺りで推移していましたが、やはり2008年以降はその割合が10%程度まで低下しています。
一方で、香港を含む対中国の輸出の割合ですが、2000年は全体の僅か10%でしたが、2010年には25%程度まで上昇し、いまや日本の一番の輸出先にまでその割合が大きくなっています。 また、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)に続いて、今、輸出が大きく伸びているのはMINITS(マレーシア、インドネシア、ナイジェリア、トルコ、サウジアラビア)等の資源が豊富な国への輸出が、2000年の10%近辺から2010年の15%まで伸び、今や対米や対ヨーロッパを抜いています。
つまり、2000年の頃には、アメリカとヨーロッパ向けの輸出が、全体の50%近くを占めていた日本の輸出構造は、今ではこれらの地域への輸出は全体の25%に過ぎず、一方で、中国と資源富裕国への輸出が全体の40%を占めるまでに日本の企業は完全に様変わりしています。
だから、ユーロが暴落して円高になっても、あるいは、最近、米ドルが安くなっても財界から円高に対する悲鳴が聞こえてこない筈です。 そして、今後、中国の元が高くなれば(対元で円安になれば)、輸出企業の業績は更に良くなります(それを手薬煉して待っている状態か)。 一方で、将来の元高を見越して、これまで中国から輸入してきた企業は、インドネシアやベトナムにシフトし、ファースト リテイリングに至ってはバングラデシュにまで安い労働力を求めて進出していこうとしています。
日本の企業、今だ、健在です!
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One comment on “円高なんてへっちゃら!? ”
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今回の話題は、私もついて行けそうです。
なるほどね。米ドルベースでは、円高の心配は、和らいでいるわけですね。
でも、決済通貨ですから、大丈夫ですか?