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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2010/08/06 05:18  | 昨日の出来事から |  コメント(1)

2つの違った「貧しさの物差し」から見た世界


おはようございます。

今週号の英経済雑誌エコノミストに「貧しさ」に関する記事を興味深く読みましたので、ご紹介したいと思います。

一般的に世界の国々の貧しさを比較する上で、簡単で分かりやすい方法に、一日当たり1ドル(厳密には1.25ドル)以下で生活している人の割合を示す方法使われます。

この方法によれば、世界で最も貧しい国はタンザニアで、人口の90%近くは1日1ドル以下で暮らしています。 次は、やはりアフリカのナイジェリア(同62%)、シエラレオネ共和国の同55%(あまり聞きなれませんが西アフリカの大西洋に面した国)、そして中央アジアのウズベキスタン(同45%)、インドの同41%が続きます。

これに対して、OPHDI(Oxford Poverty and Human Development Institute)が、おこなった「貧しさ」の調査では、単純に一日当たり1ドル以下で暮らす人の割合を比較するのではなく、基本的生活条件(水道、電気、衛生、栄養失調、学校等の基礎的な教育環境等)を勘案したもので、それによれば「貧しさ」の世界地図が少し変わってきます。

これによる比較では、世界で最も貧しい国はエチオピアで、全体の90%の人々が貧しい暮らしを虐げられている事がわかります。 次いでシエラレオネの同80%、タンザニアの63%、カンボジアの62%、ナイジェリアの61%が続きます。 注目すべきは、ウズベキスタンで、1日当たり1ドル以下で暮らす人の割合が多いにもかかわらず、OPHDIによれば、中国やブラジルやエジプトよりも貧しい人は少なくて僅か3%の人しか貧しい暮らしをしていない事になります。

私は、かつてエジプトに住んでいた事があるので余計に考えてしまうのですが、「一日に1ドル以下で暮らす人が半分近くいるにもかかわらず、基礎的生活水準が確保されて貧しくない国って、どんな処なのだろう?」と ちょっと行って見たくなったのでした。  

クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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One comment on “2つの違った「貧しさの物差し」から見た世界
  1. ぺルドン より
    物差・・インチかセンチか

    ちょっと行って来て下さい・・
    戻れなくなったりして・・・

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