昨日、オーストラリア統計局（ABS）が発表した季節調整後の１２月期のオーストラリアの貿易収支は、１１月のAU２．０８ｂｎの黒字から、AU１．９８ｂｎの黒字に若干低下しました。事前のエコノミストの予想はAU１．７ｂｎでしたので、予想したほどには貿易黒字は減っていませんでした。　　内訳としては１２月の輸出は石炭を中心に４％下落しています。

しかし、エコノミスト達は、今回の１２月の貿易収支よりも寧ろ今後の貿易収支に注目しており、１月のクイーンズランドの大洪水、また、昨日襲ったハリケーン　ヤシの鉱山部門に与えた影響を懸念する声が大きく、この数字がどう出るか読み切れていない状況です。　ドイツ銀行のチーフ　エコノミストAdam Boyton氏は、「今後数カ月、特に一月はマイナス　インパクトが大きく出るであろう」とコメントしています。

また、この日、１２月の建築着工許可件数が発表され、季節調整後で８．７％と大幅に上昇しています。　事前のエコノミストの予想では１％の上昇を予想していましたので、予想を大きく上回った形になっています（と言いますか、エコノミストの予想はこれだけ外れると予想になっていません！）。

ANZ銀行のチーフ　エコノミストWarren Hogan氏は「（クイーンズランドの大洪水やハリケーンで被害を受けた）住宅の建て替え需要が今後、期待出来る為、２０１１年の建築部門は更に活気を呈するであろう」とコメントしています。

これを受けて、豪ドル/米ドル市場では、豪ドルが１．０１ドル台まで買われています。