2010/01/14 06:36 | 昨日の出来事から | コメント(0)
街角でみた本物の景況感
昨年の12月14日にオーストラリアから帰国して1カ月が経ちました。 オーストラリアでは、日本の景気についてはマスコミやインターネットの情報で見聞きはしていましたが、せっかく日本に帰ってきたのだから、いろんな人に直接会って聞いてみようと、あちこち出向き、様々なお話を聞いたのですが、至る処で日本の景気の悪さばかり聞かされました。
当初は、私も「そうか、やっぱりそうか」と頷いて覗っていたのですが、途中から、皆さんがあまりに口をそろえて同じような景気の悪い話を言うので、元来、あまのじゃくの私は「どうも胡散臭いなあ、こうした通り一辺倒な景気の悪い話は、マスコミか何かに誘導された部分もかなりあるのではないか。」と思えてきたのでした。
あるいは、こうしたご時世なので、本当はそれほど景気は悪くないと感じている人も世の中の流れに口をあわせているだけではないかとも思いました。例えば、円高で困る輸出業者は、円高になると「大変だ!円高で為替差損が出て大変だ!!政府は何とかしろ!」と大騒ぎしますが、一方で、人数的には少ないですが円高で恩恵を受ける輸入関連業者は、「大変だ!為替差益でぼろ儲けだ!」とは騒ぎません。
そんな風にあれこれ考えて始めていた先週の事。 ラジオである町の商工会議所の会長が「景気は、まだまだいいとは言えませんが、その中にあって、一部の旅館やホテルにこれまでにない大量の宿泊予約がゴールデン ウィークに向けて入り始めたのは、明るい兆しだと私どもでは捉えています。」と話されるのを聞いて、私は「これぞ、景気に対する本物の声!」と膝を打ったのでした。
先日もご紹介しましたが、ポール サミュエルソン語録の「経済を知るためには、ファンダメンタルズだけでなく、そのニュアンスも知るべきである。」といった言葉を改めて思い出されるのでした。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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