2011/07/28 06:06 | 昨日の出来事から | コメント(1)
豪、引き続きインフレ リスクが残る
昨日、ABS(オーストラリア統計局)が発表した2011年第2四半期の消費者物価指数は、第1四半期に比べて0.9%上昇したと発表しました。 事前の予想ではプラス0.8%でしたので、予想を上回る数字に市場は驚きをもって捉えられました。ちなみに2011年第1四半期の消費者物価指数は、プラス0.8%(年率3,3%)でした。
これを受けて為替市場では豪ドルが、他通貨対比大きく買われ、対米ドルでは1.10ドル台半ばまで、対円では86円手前まで買われています。
政府のWayne Swan財務長官兼副首相は、「2011年初の自然災害の影響で果物を中心に物価が高騰しており、今回の数字の0.4%はこれらの影響によるものである」とし、「物価上昇が家計にダメージを与えているが、食料品物価はいずれ落ち着くであろう」とコメントしています。
市場関係者では、RBC Capital MarketsのSu-Lin Ong氏は、「過去2年間に豪ドルは対米ドル対比、32%も上昇したにも関わらず、貿易に関連したインフレは、第1四半期で1.8%上昇し、第2四半期は1.3%上昇している」と指摘し、本来は、豪ドル高がインフレを相殺する効果があるにもかかわらず、インフレが進行している事に懸念を示しています。
また、Australian Industry Groupのチーフ エコノミストHeather Ridout氏も「現在の国内経済の不均衡(鉱山部門が好調で、それ以外の部門が低調な状態)は、豪経済の本質的なリスクになりつつある。 RBAは非鉱山部門の「謎」(鉱山部門が好調にもかかわらず、それ以外の部門の景気が失速してきている謎)に向き合っているが、政策金利の引き下げはとても出来ない」としています。
昨日のRBA総裁の講演の中では、総裁が政策金利の引き下げに関するコメントを一切しなかったのは、この辺りの事を事前に分かっていた為と思われます。
金融市場では、2週間前には、今後1年以内に0.25%の政策金利の引き下げを2回織り込む水準まで金利は低下していましたが、昨日の数字の発表後には、年内に0.25%の金利の引き下げの内、0.1%分だけ織り込む水準にまで買い戻されています(金利は上昇しています)。
いつも極端に振れるオージーの悪い癖が昨日も出てしまい、やはり時期尚早でした。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
現在有料版にはお申し込みいただけませんのでご了承ください。
当社に無断で複製または転送することは、著作権の侵害にあたります。民法の損害賠償責任に問われ、著作権法第119条により罰せられますのでご注意ください。
One comment on “豪、引き続きインフレ リスクが残る”
コメントを書く
いただいたコメントは、チェックしたのち公開されますので、すぐには表示されません。
ご了承のうえ、ご利用ください。
でしたっけ?
あれから二週間
結局史上最高値更新とは恐れ入りました!