2010/01/05 07:27 | 昨日の出来事から | コメント(2)
偉大な経済学者ポール サミュエルソン
昨年、12月13日に近代経済学者の重鎮 ポール サミュエルソンが亡くなりました。享年94才でした。
英経済雑誌エコノミストが彼について寄稿した記事から、いくつかご紹介します。
(1)彼の最初の功績は、1919−1921年のメキシコからの移民者によるストライキによる景気後退とその後のバブルに始まります。このことがきっかけで生涯を通じての彼のマクロ経済学を形成した。
(2)彼は、金融政策が機能しない時には、景気後退を避けるために政府が大量の支出をすることを是認した(ケインジアン経済学)。現にオバマ政権が去年、同政権の経済アドバイザーで、彼の甥でもあるLarry Summers氏が巨大な政府支出を計画した時、ケインズはただちにそのプランを支持した。
(3)1950年代以降、ケインジアン経済学と古典経済学の融合で新古典主義が確立され、彼らの批判の矛先は、シカゴ学派(マネタリスト)、特にミルトン フリードマンに向けられた。 つまり、政府の規制(関与)について、古くはFriedrich von Hayek(ハイエク)に始まり、フリードマンによって激しく警告されたことに対し、ケインズは、「マーケットは完璧ではない。」と主張した。
(4)彼のこの「非効率なマーケット」という考え方は、その後、2つの大きな考えの基礎となる。一つ目は(彼の「マーケットは非効率」であるという考え方があった故に、それと対照的な)「効率的なマーケット仮説」を生み、この考えがアービトラージ(裁定取引)の概念につながった。 2つ目は、彼のこうした考え方がオプションの価格形成の基礎となった。
エコノミストは、最後に、彼のいくつかの言葉を引用しています。
(1)「経済学を理解するためには、ファンダメンタルズたけでなくそのニュアンスを知る必要がある。」
(2)会社のエグゼクティブたちが理解しなかった金融デリバティブについては(彼自身、その発展に寄与した故に若干の責任を感じながらも)、「自由なマーケットは、それ自身、安定化させることはできない」。
(3)「ゼロ規制は、合理的な規制に対して最も対極に位置する選択肢(最悪の選択肢)である。 (つまり)自由主義は、それ自身、最悪の敵なのである。」
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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2 comments on “偉大な経済学者ポール サミュエルソン”
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明けましておめでとうございます。
今年も、どうぞよろしくお願いします。
Goda さんにとりましても、いい年でありますように。
(人違いでなければ、風の便りに、ご結婚されると伺いました。おめでとうございます。 もし、間違っていましたらごめんなさい)。