2010/01/03 23:35 | 昨日の出来事から | コメント(0)
新年明けましておめでとうございます
年末に鳩山内閣が、今後10年間の経済成長戦略の基本方針「新成長戦略〜輝きのある日本へ〜」の閣議決定を発表しました。
主なポイントは、
(1)名目経済成長3%(実質成長率を2%)として、向こう10年間でGDPを30%増やして650兆円とする。
(2)環境、健康や子育て、観光で新たに100兆円の需要と400万人の雇用を確保する。
(3)失業率を4年後に現在の5%から3%まで下げる。
閣議後、鳩山首相は「供給サイド(の企業)に偏っていた発想を改め、需要をしっかり創出していく」とコメントしました。
これは、一見、長期的展望に立った成長戦略のように見えますが、私は大いに違和感を覚えました。特に、鳩山総理の「供給サイド(の企業)に偏っていた発想を改め、需要をしっかり創出していく」の部分は、意味がわかりませんでした。
言わんとするところは、これまでの公共投資等の箱物を供給する政策から内需主導(国民が本来必要とする需要を中心とした)経済成長を志向するということなのでしょうが、現在のように高齢化、人口減少が進行する社会にあって、内需拡大を実現するのは非常に困難です。また、観光で経済成長率を大きく押し上げるには、日本経済の規模は大きすぎます。健康(医療)も、結局、ほとんどは国内で医療を受ける人から医療を提供する人への所得移転であって、全体のパイを大きくする事にはあまり寄与しません。
結局は、言葉は悪いですが、手っ取り早いのは、かつて1980年代までの日本の企業が頑張ってきたように、“企業”が日本の製品やサービスを輸出して稼ぎ、そのお金を国内に持ち込んで内需を刺激する以外に経済成長はないように思います。そして、その為の税制面や資金面の支援をする事、あるいは官民で環境関連企業や農業を新たな輸出産業に育てる事が大事だと思います(マニフェストで書いたような農家へのバラまきなどせずに)。
しかし、こうした企業支援型政策は、「自民党時代の政策と同じだ!」と批判されかねないので、民主党政権では出来そうにありません。 何しろこうした政策は「供給サイド(の企業)に偏っていた発想」だそうですから。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
現在有料版にはお申し込みいただけませんのでご了承ください。
当社に無断で複製または転送することは、著作権の侵害にあたります。民法の損害賠償責任に問われ、著作権法第119条により罰せられますのでご注意ください。
いただいたコメントは、チェックしたのち公開されますので、すぐには表示されません。
ご了承のうえ、ご利用ください。