2010/07/22 06:04 | 昨日の出来事から | コメント(1)
四半期毎の世界の住宅価格比較
先週号の英経済差雑誌エコノミストに四半期毎の住宅価格の世界比較をお掲載していましたのでご紹介します。
まず、特徴的なのは引き続きアジアの住宅事情が好調です。 特にシンガポールは、香港を抜いて2010第1四半期は年率38.1%も上昇しています(前年同期は−21%から大きく反発)。 第2位の香港は同28.5%に上昇となっています(前年同期は−13.6%でした)。 第3位は私の住んでいるオーストラリで年率20%の上昇となっています(前年同期は―5.5%でした)。 特にオーストラリアは、金利と賃貸価格を勘案後で、主要国で最も割高な住宅価格となっています(かつての日本のバブル期の上場とよく似てきており、経済的に説明が出来ない住宅価格の上昇となっています)。
それ以降は、南アフリカの15.2%、そして中国の12.4%の上昇が続きます(ちなみに中国の前年同期では僅かに−1.1%に留まっています)。 そしてイギリスの8.7%の上昇が続きます(前年同期では最悪のアメリカの−19%に次いで−16.6%でしたので、目先的には回復基調にあります)。
さて、アメリカですが、主要10大都市部では前年の−19%からプラス4.6%に回復してきています。 しかし、全体では前年の−18%から僅かに2%の上昇に留まり、回復の足取りの重さが出ています。ちなみに別の調査(FHFA)では、アメリカ全体では、前年同期の−3.5%から今期は−6.7%と更に悪化しているとの調査結果も出ており、寧ろこちらの数字の方が実態に近いのではないでしょうか。
ところで、私達の日本の住宅価格事情は、昨年同期の−3.4%から今期は−4%と引き続き下落傾向を辿っています。このように前年同期比で更に悪化しているのは、イタリアの−1.2%から−4.1%とアイルランドの−11%から−11%だけです。
そんな低迷の極みにある日本の住宅市場に、最近、台湾の不動産会社が日本の企業と提携して中国の富裕層に日本の不動産を仲介するビジネスを始めると聞き、「自国のインフラの悪い中、割高になり過ぎた為に、近隣のシンガポール、香港と触手を伸ばし、とううとう日本まで来たか。 と言う事は、近く日本の住宅事情も改善に向かうか」と期待が膨らみながらも複雑な思いに駆られたのでした。 ちなみに金利と賃貸価格を勘案後で、日本の住宅価格は主要国の中でかなり以前から最も安い状態が続いています(中国マネーが、それを見過ごす筈がありません)。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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One comment on “四半期毎の世界の住宅価格比較”
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既に来ていると聞きますが・・・