2009/12/17 07:13 | 昨日の出来事から | コメント(0)
豪、第3四半期のGDPは0.2%の伸びにとどまる
昨日、注目のオーストラリアの第3四半期のGDPが発表されました。
主な内容と、要人および市場関係者のコメントは以下の通りです。
(1)第3四半期のGDPは、第2四半期のプラス0.6%の成長から僅かに0.2%の成長にとどまりました。特に、設備投資と輸出が去年の第4四半期ぶりの低い水準となった。
(2)また、住宅関連商品やサービスは0.5%の低下となっており、経済にインフレ圧力はない。
(3)政府の各家計への現金支給(景気刺激策の一環)が終了したため、家計部門の所得は1.6%下落した。また、政府による企業部門支援策も一巡し、企業の設備投資も低下した。
(4)今回の経済成長率はエコノミストの予想の半分程度にとどまり、これまでは政府の景気刺激策に拠るところが大きかったが、一方で、今回の指標の中には純粋な景気回復の兆しも見えてきている。住宅建築は、今年に入って5.9%増えてきており、また、貿易関連や鉱山関連の見通しも改善してきている。
これを受けて、財務長官のWayne Swan氏は、
(1)今日の数字は、豪経済が本格的な経済成長に入る前に、まだいくつかの過程があることを示している。
(2)今回の政府の財政支出(学校や家の建築、耐熱工事等)によって、景気を0.4%押し上げている。
(3)総合的には、今回のこれらの数字は、今、ここで財政支出を撤退することは時期尚早であり、景気にとっても危険な判断である事を示している。
と述べ、これまでの政府の景気刺激策のおかげで景気後退が回避できたことを強調する一方で、今後の景気に対して警戒的な姿勢を崩していません。
市場では、今日の数字を受けて豪ドルは、2カ月ぶりに0.90ドルを割り込みました。
また、短期金利市場では、先週末までは、来年2月の0.25%の公定歩合引き上げの90%を織り込む水準で取引されていましたが、数字の発表後は35%まで低下しています。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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