2011/01/07 06:02 | 昨日の出来事から | コメント(0)
豪、人材不足で労働賃金が急上昇
The Australian Chamber of Commerce and Industryが行った今年最初の投資家信頼度調査で、前回行った9月の調査に比べて、企業収益に対して前向きに考えている企業家が多い一方で、 労働賃金の上昇に対する懸念が13年振りの高い水準にまで達しています。
と言いますのも、生産性が1.1%上昇しているのに対して、賃金の上昇率が4%以上に達し、企業収益を圧迫する要因になってきています。特に熟練工の労働者不足(技師や衣料関係)は深刻で、企業が計画している人員が確保できずに、企業計画の見直しを迫られている企業も出始めています。
オーストラリアでは、今年は14万人の移民による熟練労働者を確保しようとしていますが、VISA等の書類手続きが相変わらず遅く、間にあっていないのが現状です(例えば、私の場合、オーストラリへのVISA申請から取得まで1年半かかりました)。
ACCI の会長である Peter Anderson氏は「労働賃金の上昇が、企業収益を圧迫し、それによって新規の雇用を控えざるえない状況になってきている」また、「生産性(1.1%)と賃金上昇率(4%以上)のギャップが大きく、これを埋める政策が必要である」と指摘しています。
ここに来てオーストラリア経済の不確定要因(洪水の被害や、労働賃金上昇率と生産性とのかい離が大きくなるなどのマイナス要因)が、次第に実体経済にボディー ブローのように効き始めてきています。

クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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