2011/01/06 06:29 | 昨日の出来事から | コメント(0)
オーストラリア経済に変調の兆し
これまで絶好調であったオーストラリア経済に変調の兆しが出てきています。
ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、今、オーストラリア、特に、私の住んでいるクイーンズランド州では、50年振りの洪水で被害が大きく、色々なところに影響が出始めています。
まず、100年振りの好調を誇っていた鉱工業部門が、洪水の影響で採掘場が水浸しになって、作業が中断されています(鉄鉱石、石炭)。 また、綿花畑が洪水で全滅し、野菜などの農作物が洪水で流されて作物が取れず、野菜の価格は高騰して国民生活にまで影響が出始めています。
更に、洪水で住宅の被害も大きく、損害保険会社が保険の支払いに追われて、各社とも収益予想を一斉に下方修正し始めています。 オーストラリアでは、銀行が保険業務もやっていますので、保険部門の不振は、即、金融機関の経営問題に直結します。
こうしたことを受けて、短期金融市場を中心に、これまでの金利先高期待から逆に、金融緩和期待まで出始め、短期金利を中心に債券価格は上昇(金利は低下)しています。 今回のクイーンズランド州の洪水の影響が、オーストラリア経済全体に対して「どこまで影響があるか」は、今後の景気指標を細かく追いかけるしかありませんが、あれ程、2011年のオーストラリア経済の好調さが予想されていたにもかかわらず、天候一つで、ここまで様変わりするのを目の当たりにするにつけ、日本では、毎年、新年になると、恒例のように過去のファンダメンタルズの延長に過ぎないような「新春、2011年の今年の予想」で盛り上がっていますが、 それって「今日の相場は、昨日より値段が上がったから、明日も値段が上がる!」と言っているようなもので、全く持って意味がありません。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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