2012/04/13 05:37 | 昨日の出来事から | コメント(0)
豪、3月の失業率は5.2%
昨日、ABS(オーストラリア統計局)が発表した3月の失業率は5.2%で雇用者数は44,000人増加したと発表しました。 事前の市場予想は失業率が5.3%で雇用者数は+5,500人に留まるとの見方が大勢でしたので、市場の予想に比べて景気はいい形になっています。
内訳としては、豪の雇用者数は11.49百万人と前月に比べて44,000人増え、その内、非正規雇用者数は、28,200人増えて3.54百万人でした。 また、雇用参加者比率は2月の65.2%から65.4%に増加しています。
TD証券のエコノミストAnnette Beacher氏は「(今日の数字は)それほど驚きに値しない。西オーストラリア州やクイーンズランド州では、鉱山部門を中心に効用が増え、ビクトリア州やニューサウスウェルズ州では、製造業を中心に雇用を削減する傾向は変わっていないからである」とコメントしています。
また、Commsec.のエコノミストSavanth Sebastian氏は「RBAの理事は、(今日の予想以上に強かった数字を受けて)、5月の理事会で政策金利の引き下げの判断を相当考慮する必要がある」と5月のRBA理事会での政策金利引き下げにやや疑問を呈しています。
今、短期金利市場では5月に0.25%の政策金利の引き下げと、1年後の100bpの政策金利の引き下げを織り込んだ水準で取引されており、一部では「あまりにも金利の引き下げに対して楽観過ぎる」との見方も出始めています。
更に、昨日の午後に発表された民間調査機関が発表した消費者の将来に対する期待インフレ率は、2月の+2.7%から+3.7%に大きく上昇し、また熟練労働者の期待賃金上昇率も+3.7%に急上昇しており、RBAが中期的なターゲットとする3%を大きく上回っています。
これを受けてWestpacのエコノミストは「今日の消費者の期待インフレ率は、政府の発表するインフレ率の先行となるもので遅行性はない」と指摘し、今後、豪のインフレ率は次第に上昇するとの見方を示しています。
為替市場では、失業率発表前は対米ドルに対して1.03ドル近辺で取引されていましたが、発表後は1.036ドル台まで急上昇しています。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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