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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2009/12/01 07:05  | 昨日の出来事から |  コメント(1)

ドバイ よいとこ〜、一度はおいで〜♪?!


サバール ヘイル! (アラビア語で「おはようございます」)

私が初めて、ドバイに立ったのは、今から24年前の1985年の砂嵐が近づいていた春の事でした。

当時は、観光客など全くゼロで、オイルマネーを目当てのビジネスマンとその家族、あとは、工事現場等で働く出稼ぎ労働者以外は誰もいない国でした。 観光施設はなく、娯楽でわざわざ、それこそ“くそ熱い”砂漠に来る人もいません。現地の人が、灼熱の砂漠の中で、車(当時のUAEでは殆どの車はベンツ)のボンネットで目玉焼きを焼いてくれるのを見せてもらって、「おおすごい!」と驚くと同時に「どうしてこんな過酷なところに、わざわざ自分がいるのだろう?」と情けなくなったのでした。 

空港で、次に搭乗するサウジアラビア航空のターミナルに向かう途中、給油中のJALのツルのマーク(当時のJALはツルがシンボルマークでした)を見て、「あ〜、あそこには日本人がいる、あれに乗れば、に、に、日本に帰れる!!」と、思わず立ち止り、じっとツルのマークを見ていたら目頭が熱くなったのを今でも思い出します。

次にドバイに降り立ったのは、あれから20年以上もたった2007年の秋の事でした。 当時、私は欧州系の投資銀行で働いていた関係で、ロンドンを含むヨーロッパ各国、NY、オーストラリア、日本から集まってドバイで年一度の会議に出席するために降り立ったのでした。

もちろん、気候は25年前と変わらず、灼熱の暑さは変わらないはずなのですが、自分の移動する処、全てに冷房が効いていて快適そのもの。 外国人向けのリゾートやレストラン、高級ブティックがあちこちにずらりと並び、リゾートマンションが所狭しに立ち並び、更に建設中の建物が雨後のタケノコよろしく砂漠の中のタケノコ状態。

あまりの違いに浦島太郎状態に陥った私は、「何をどうすれば、こうも変われるのか?」と、会う人に聞きまくったのでした。 「石油(オイル)なら、湾岸諸国ならどこでもあるし大差ないのに、どうしてドバイだけがこんなに繁栄したのか?」 

答えは、「今の政府の経済開放政策のおかげだ」だそうで、「1970年代から1980年代は、金があっても使い道を知らなくて欧米人にだまされたが、今はオイルマネーを見せ金にして、欧米人の金(投資資金)を逆に取り込んでいるのだ。」と豪語していたのを思い出します。

現在のドバイ政府は、マンションや土地を購入した人全てにドバイ永住権を与え、ドバイでビジネスをする人を優遇する政策のおかげで、ヨーロッパから注目を浴びて投資資金を集めることができ、更なる欧米からの資金を取り込むため、より大がかりな仕掛けを作るといったバイアスがかかり、国を挙げて繁栄スパイラスを演出していたのでした。 

その象徴が今回のドバイ ワールドによるプロジェクトで、総工事費USD65bn(約6兆円)、まず2兆円をかけて2018年を目途に、土地の取得から(270平方キロメートル、一辺16kmの正方形の大きさを想像してください)、テーマパーク、ホテル、ショッピングセンター、住居の完成を予定し、更に1.3兆円をかけて、2020年完成予定のドバイ フェスティバル シティなる街には、学校、ホテル、オフィスが集中し、極めつけは1.5兆円をかけて海を浅瀬に変えて、7つの人工島にリゾート施設とホテルを建設し、これは来年の完成を目指していました。

私も、この浅瀬に浮かぶ建設中の巨大ホテルを見ましたが驚きました。「高さ500mで、当時世界一の高さと、世界一の宿泊料金が売り物で、近くから見ると山のようにそびえ立ち、これで本当にホテルとして機能するのだろうか?」と思うほどでした。 それが、完成を間近にして資金難に陥り、今回のドバイショックとなって噴出したのでした。

昨日、UAE政府と中央銀行は、ドバイ ワールドの全面支援を発表し、市場は落ち着きを取り戻し始めましたが、今後、どのような具体策が出てくるのか、疑心暗鬼な状態が続きそうです。

でも、そんなことよりも、このプロジェクトが完成する2020年にドバイ詣でもしませんか。それまでは旅行積立をしましょう。 いいえ、もっと手っ取り早く手元のお金の価値を上げる方法があります。それは、もっともっと円高になることです。

アッラーフ アクバル!!(アラーの神は偉大なり!)

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One comment on “ドバイ よいとこ〜、一度はおいで〜♪?!
  1. ぺルドン より
    ドバイよいとこ・・

    石油が出ないドバイは、欧米・・特に欧州に、イギリスに、教訓を与えたのでしょう。愛の鞭でしょう。

    アラブの小話に、
    かついでやろうと、あるアラブ人が、村外れにものすごく美味しいナツメヤシがある、とデマを飛ばした。
    信じた村人が村外れに向かって走るのを見て笑い転げていた。
    ところが
    大勢の村人が駆けて行くのを見て、彼も慌てて加わって駆けた。

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