2011/12/15 06:13 | 昨日の出来事から | コメント(0)
RBA副総裁の講演から
昨日、RBA副総裁のRic Battellino.氏がシドニーで講演しました。 主な内容は以下の通りです。
(1) 世界経済の大きな割合を占めているヨーロッパの国々の債務問題と、世界の金融機関と密接につながっているヨーロッパの多くの銀行資本が毀損している問題は、オーストラリアも含めて、世界中の景気や金融システムに影響を与えることは避けて通れない。
(2) 我々としては、IMFやECBがこれらの問題を何とか解決することを望んでいるが、これらの問題を解決することは容易なことではない。
(3) RBAとしては、「ヨーロッパの国々が長期にわたり厳しい財政削減に取り組めば、相当のデフレ圧力がかかり、その一方で、中央銀行が大量の国債を買い入れ、あるいはユーロの加盟国の構成や仕組みを変更するなどの混乱が生じれば、インフレは避けて通れない」と見ている。
(4) 豪の短期金融市場では、2012年にかけてRBAが更なる政策金利の引き下げを織り込んだ水準で取引されているが、我々としては、11月、12月と政策金利を引き下げた効果を注意深くモニタリングしているところである。
(5) 私個人的には、現在の豪政府の財政姿勢、強固な豪の金融システム、そしてヨーロッパの問題国に対するポジションやビジネスが比較的低く、その一方でアジアの国々(特に中国とインド)とのビジネスが多い豪の経済に満足している。
(6) 足元的には、今日(12月14日)に発表されたWestpac-Melborne Instituteが発表した消費者信頼度指数が、11月の103.4から94.7まで急落しており(率にして8.3%の下落)、 今後、豪経済に影を落とす可能性があると懸念している。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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