昨日、RBA総裁Glenn Stevens氏が、クイーンランド州はブリスベンのEconomic Society of Australiaのランチ　タイム講演で、将来の政策金利引き上げの可能性を示唆しました。

講演の主な内容は以下の通りです。

（１） 今のオーストラリアは、ペット　シップのインコまでが「オーストラリアは中国の貿易で成り立っている」と暗唱するくらいだ（それほど、これまで何度も何度も言われてきたし、これからもそうだ）。

（２） 中国の鉱山資源輸入のおかげで、オーストラリアの国民所得は１５％以上増加した。確かにオーストラリアの鉱山関連企業に投資している海外の投資家は、多くのリターンを享受し、それらは国外に流出しているが、それを勘案してもオーストラリアの国民所得に大きく寄与している。

（３） これまでの豪経済の拡大基調は、２００８年頃の完全雇用状態以来であり、その時の経験からして、今後、景気が下振れするリスクは限られており、我々は８月のRBA理事会前の７月末に公表される２０１１年第２四半期のインフレ率に注目している（７月のインフレ率の数字次第では、８月の理事会で政策金利の引き上げを示唆）。

（４） （２０１１年７月から始まる豪２０１１年度予算で政府が財政支出を今年に比べて削減する事に関連して）、財政政策は金融政策にも大きな影響を与えるが、来年度予算によって、豪の経済成長率は２０１１年から２０１２年にかけて、これまでの成長率よりもやや低い２％程度になるであろう。