2010/12/10 05:37 | 昨日の出来事から | コメント(0)
豪、11月の失業率が5.2%に低下
昨日、オーストラリア統計局が11月の失業率を発表し、10月の5.4%から5.2%に低下しました。 これによって雇用者数は事前の予想の19,100人増から、2倍以上多い54,600人の増加となっています。 内訳的には、正規雇用が55,000人増加し、パートタイムの労働者の雇用は殆ど変わりませんでした(正規雇用者55,000人の純増は驚きに値します)。
先月のRBAによる政策金利の引き上げについては、野党政治家やエコノミストの間から疑問視する声が出ていましたが、今日の雇用統計を受けて、11月のRBAの政策金利引き上げは妥当であったとの見方に変わりつつあります。 その上で、RBAは、今後の雇用統計次第では、2011年にこれまでの市場の予想よりも早くに政策金利を引き上げに踏み切るかもしれないとの見方も出始めています。
HSBC’s のオーストラリア経済のチーフエコノミスト Paul Bloxham氏は「我々の考えでは、雇用統計の数字こそが、現在のオーストラリアの経済状況を最も如実に表しており、3年前にも経験したように、今後はインフレ期待が積み上がってくるであろう」とコメントしています。
また National Australia Bankのシニア エコノミストのSpiros Papadopoulos氏も「2011年にかけて、再び雇用統計が、RBAにとってもっとも大きな懸念材料となるであろう。雇用の拡大、賃金上昇、企業家の今後2−3年の設備投資計画を考えると、人的資源が更にタイトになるであろう」とコメントしています。
これを受けて為替市場では、AUDが対米ドルに対して、0.9790ドルから0.9870ドルまで一気に買われました。また、短期金融市場では、当面の政策金利の引き上げはないとして、それまでは殆どニュートラルのイールド カーブで推移していましたが、昨日の雇用統計を受けて、3年物国債先物は9ティック売られて94.83まで値を下げました(金利は上昇)。 市場関係者では、2011年4月に政策金利の引き上げを織り込む動きが出始めています。
クロコダイル通信は2019年12月末日をもって連載終了となります。
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