昨日、ＡＢＳ（オーストラリア統計局）が発表した、豪第３四半期のＧＤＰは前期比対比プラス１％増加し、前年同期比プラス２．５％でした。　事前の市場関係者の予想はプラス０．８％でしたので予想より高い数字となっています。また、同局は、第２四半期のＧＤＰをプラス１．２％からプラス１．４％に上方修正しています。

主な内訳としては、豪北部の天然ガス採掘に関する設備投資を中心に、鉱山とそれに関連する鉄道や港湾に亘って１３％も増加しています。また、今後ＡＵＤ450ｂnの鉱山部門の設備投資が計画されており、世界経済の低迷の影響を殆ど受けていない形になっています。　また、今年初めにダメージを受けたクイーンズランド州の鉱山部門の復旧が、まだ完全に終わっておらず、今後、これらが完全復旧すれば更に輸出は加速するとの見通しがあります。ちなみに豪の資源輸出の７０％はアジア向けとなっています。

政府筋のWayne Swan財務長官は「現在のユーロ危機を考えれば、豪経済は例外的存在となっており、豪経済の健全性を改めて確認した」とし、「一方で、消費者は引き続き消費に対して警戒的であるが、消費全体としてみれば良好である」とコメントしています。

ＵＢＳのチーフエコノミストScott Haslem氏は「今、我々が注目しているのは、世界経済が低迷する中で、『豪の輸出がどこまで好調でいられるか』、そして今回の政策金利引き下げによって、『消費者および家計部門がどう反発してくるか』に注目している」とコメントしています。